[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/11/05
抄訳記事公開日:
2015/12/10

Industrie 4.0 プラットフォームの評価と展望

Leitungsgremium der Plattform Industrie 4.0 zieht positive Bilanz und gibt Ausblick auf IT Gipfel

本文:

連邦経済エネルギー省(BMWi)と連邦教育研究省(BMBF)が「Industry 4.0プラットフォーム」の運営委員会を開催(11月5日)。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。

Industrie 4.0 プラットフォームの運営委員会はガブリエルBMWi大臣(マハニッヒ次官が代理)とヴァンカBMBF大臣の主導の下に開催し、プラットフォームのこれまでの活動結果や将来の目標について意見交換した。同プラットフォームには100以上の機関から250名あまりが参加し、既に世界最大かつ最も多様なIndustrie 4.0ネットワーックとなっている。ドイツ・テレコム社のClements取締役(T-System担当)、 金属労組IG MetallのHofmann委員長、SAP SEのLeuker取締役(製品・イノベーション)、フラウンホーファー協会の Neugebauer会長、シーメンス社のRusswurm取締役、等も出席した。

ヴァンカ大臣は「中小企業がIndustriie4.0に容易にアクセスできるようにしなければならない。中小企業は限られた研究能力しか有しておらず、その新しいアイデアや技術について実践的にIndustrie 4.0へのフィジビリティをテストする方法を必要としている。それはテスト・ベッドで行われることが多くなっており、企業が実証プラットフォームとしてこれを大いに利用できるよう支援していく。フラウンホーファー協会は応用研究を行う国際的に最大の研究機構の一つであり、テスト・ベッドの開発においても熱意を持って取り組んでいる。同協会は 、企業が自身で決めた規則に従い確実なデータ交換を実現するための技術的基盤(Industrial Data Space)を創ることができる」と語った。

マハニッヒBMWi次官談:
Industrie 4.0 プラットフォームは国際的にみてもIndustrie 4.0 の領域では最大のネットワークの一つである。ドイツはもとより、外国の、国際的に活動する企業もここでは密接に協力しており、ドイツにおける産業デジタル化のために結束された能力がこのプラットフォームを国際的に強く求められる。ITサミットまでに同プラットフォームはドイツのIndustrie 4.0による100件以上の具体的な応用を記載したバーチャル・マップを作成する。これによって正に中小企業に、その生産を独自の方法でデジタル化する為の刺激を与える組織的なアプローチ方法及び展望を得ることができる」

Russwurm氏はIndustrie 4.0 プラットフォームにおいてIndustrie 4.0技術のリーディング・サプライヤーとしてのドイツの位置づけを更に強化する大きなポテンシャルを見ており、「ドイツはこの領域においてトップのサプライヤーである。産業団体と共に立ち上げたIndustrie 4.0 プラットフォームとネットワークのお蔭で、経済団体、デジタル関連団体を通じ7,000以上の企業と手を結ぶことができた。共同でこのトップの位置づけを維持していくためには正にこれが必要なのだ」と語った。

Hofmann委員長はIndustrie 4.0プラットフォームに、将来につながる全てのステークホルダーを参加させることができることを歓迎し、「Industrie 4.0は初めから人間というものを考慮に入れて、初めて成功するものである。だからこそ“Arbeit 4.0“(労働4.0)のための基本条件が整備され、ドイツのIndustrie 4.0を成功裡に実施することができる。それには資格、労働条件、労働組織等について共同設計が前提となる」と語った。

現在、既にIndustrie 4.0プラットフォームはその構造において多くの国々の模範となっている。中国、日本、フランス、韓国、スロバキア等からの協力に関する数多くの問い合わせがこのことを証明している。Industrie 4.0 の専門家に対する外国からの要請が多く、代表者がフランスのイニシアチブ“Industrie du futur“の関係者とパリにおけるデジタル化に関する会議において会談した。また10月末には北京において独中の代表者が7月に締結された中国との覚書を受けた第一回会合で会談する。これに伴い、Industrie 4.0プラットフォームは国際的にも評価されるネットワーク・ノードとなっている。

ドイツがIndustrie 4.0というテーマについて指導的な位置にあることは、Industrie 4.0技術が中小を問わず企業で実際に多く利用されていることからも明らかである。Industrie 4.0 プラットフォームは、現在企業の実践例が100以上あり、2015年11月中旬のITサミットの際に「Industrie 4.0」オンライン・マップにプレゼンテーションされる。

[DW編集局]