[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2015/10/07
抄訳記事公開日:
2015/12/14

学際的なサイバーセキュリティ研究に7,450万ドルの助成金

NSF awards $74.5 million to support interdisciplinary cybersecurity research

本文:

2015年10月7日付けの国立科学財団(NSF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。

NSFはサイバー空間の最前線防衛の目的で、長期にわたってサイバー・セキュリティ研究を支援してきた。基礎研究に対するNSFの投資が、情報セキュリティの確保やインターネット上でのプライバシーの確保に革新的な方法をもたらしており、電子商取引、ソフトウェア・セキュリティ・バグの検出、スパム・フィルタリングなどの基盤を成すアルゴリズムを生み出している。

NSFはこのほど、NSFの「安全で信頼できるサイバー空間(Secure and Trustworthy Cyberspace: SaTC)」プログラムを通じて7,450万ドルの研究助成を実施することで、サイバー空間の安全確保の取り組みを継続することにした。新規プロジェクトでは、セキュリティの実務や技術の向上を図り、サイバーセキュリティの教育・訓練を強化して、サイバーセキュリティの科学を確立し、有望なサイバーセキュリティ研究成果を実践に移行させることを目的とする。

SaTCプログラムは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク技術の脆弱性に対処する研究を支援する。またサイバーセキュリティの人間的要素を探究する研究、及び将来のサイバーシステムの構築・防衛に当たる専門家を養成するためのサイバー教育の強化を支援する。

SaTCによる投資には、37州の研究者を対象とする全部で257件の新プロジェクトへの投資が含まれる。これらのプロジェクトでは若手研究者や先駆け的な研究に対する助成のほか、複数機関にまたがる広い領域の研究も支援する。最大規模の複数機関助成対象には、(セキュリティに暗号を使用する)暗号通貨として知られる新しい形態のデジタル通貨の理解増進・信頼性の付与に関する研究、広範囲のインターネットを広範にスキャンして脆弱性を自動的に検出して修正する技術の研究、センサー(感知装置)機能の精密なモデルの開発による「検閲回避の科学(science of censorship resistance)」の確立などがある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]