[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学審議会(NSB)
元記事公開日:
2021/09/01
抄訳記事公開日:
2021/10/26

科学工学指標2022:STEM労働力に関する報告書

National Science Board Releases Report about Today’s Science and Engineering Labor Force

本文:

2021年9月1日付け、国家科学審議会(NSB)による標記記事の概要は次のとおりである。

NSBは新しい報告書「STEM労働力の今:科学、工学、熟練技術労働者(The STEM Labor Force of Today: Scientists, Engineers, and Skilled Technical Workers)」を発表しにおいて、STEM労働者が米国の経済にいかに貢献しているかを示し、STEM分野における研修と教育との価値を強調している。この報告書は、議会への報告を義務付けられた、米国の科学技術の状況に関する「科学工学指標」2022年版の一部である。

これまでの報告書と異なり、2022年版の労働力に関する報告書では、全てのSTEM労働力の全体像を示している、つまり、かなりのレベルの科学工学専門知識や技術を必要とするものの、学士以上の学位を取得していない約2,000万の労働者を含んでいる。

全ての教育レベルとかなりのSTEM知識や専門知識を必要とする職種を幅広く含むと、2019年時点で、STEM労働力は米国の全労働力の23%となる。STEM分野の労働者の半数強は学士号を取得していない。これらの熟練技術者は主に、医療関係(19%)、建設業(20%)、設置・保守・修理業(21%)、製造業(14%)に従事している。

また、年収の中央値でみると、STEM労働者は5万5,000ドルで、非STEM労働者の3万3,000ドルに比べて高く、またSTEM分野の労働市場も、非STEM市場に比べて強靭である。2019年時点の失業率もSTEMでは低く、この傾向はCOVID-19パンデミックの期間でも変わることはなかった。

黒人、ヒスパニック、アメリカ先住民は、米国の雇用の30%を占めるが、STEM労働力は23%に留まる。これは、学士以上の学位を持ったSTEM労働者の割合が低いためである。

NSBは、報告書「ビジョン2030」の中で、全てのレベルで米国のSTEM人材を育成し、STEM分野の「失われた何百万もの人々(Missing Millions)」の問題に対処することが米国の最優先事項である、と述べている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]