[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立宇宙研究センター(CNES)
元記事公開日:
2025/06/23
抄訳記事公開日:
2025/07/17

ル・ブルジェ航空宇宙ショー、仏宇宙政策と産業革新に関する主要発表

Spatial français : 10 annonces dévoilées au Salon du Bourget

本文:

(2025年6月23日付、国立宇宙研究センター(CNES)の標記記事の概要は、以下のとおり)

パリ近郊のル・ブルジェで第55回国際航空宇宙ショー(SIAE)が開催された。主なイベントや発表は以下のとおり。

1.独仏宇宙機関、戦略的技術分野で新たな協力関係を構築
16日、ドイツ航空宇宙センター(DLR)とCNESは、欧州宇宙主権の確立に向け、重要および飛躍的技術領域に関する複数の共同プロジェクト推進を目指す意向声明を交わした。

2.欧州超高推力・再使用型ロケットエンジン開発プロジェクト「ASTRE」始動
17日、CNESは、欧州の将来の大型打上げや宇宙探査ミッションに対応するため、アリアングループと技術開発契約を締結し、2000〜3000 kN級の再使用可能な新型エンジン「ASTRE」の開発に着手した。

3.ソフィー・アデノ宇宙飛行士の初飛行ミッション名「イプシロン」と徽章を発表
2026年春に予定される欧州宇宙機関(ESA)所属のフランス人宇宙飛行士ソフィー・アデノの国際宇宙ステーション(ISS)初飛行ミッションの名称が「εpsilon(イプシロン)」、およびその徽章とともに発表された。本ミッションでは、CNESや仏宇宙コミュニティの科学、技術、教育分野の実験に取り組み、宇宙科学の発展と若い世代の啓発を図る。

4.欧州宇宙系スタートアップ支援プログラムSpaceFounders、第6期採択企業を発表
欧州宇宙スタートアップ向けアクセラレーター「SpaceFounders」は、16日に、第6期生として15社(うち仏企業4社)を選出。採択企業は、宇宙監視、地震予測、宇宙製薬など多様な分野で革新的技術を開発している。

5.PLD space、ギアナ宇宙センター(CSG)における初の民間ロケット発射事業者に
17日、PLD SpaceはCNESと契約を締結し、2026年にMIURA 5ロケットの打上げを予定する独自発射施設をギアナ宇宙センター(CSG)内で開発・運用する初の民間企業となった。

6.フランス宇宙産業、世界初の脱炭素化ロードマップを公表
18日、CNES、企業総局(DGE)、フランス航空宇宙工業会(GIFAS)は、2023年基準で宇宙産業全体の環境負荷を評価し温室効果ガス排出削減に向けた世界初の共同ロードマップを策定し、2040年、2050年を見据えた長期目標を示した。

7.CNESとパリ消防隊(BSPP)、極限環境下での最先端技術共同開発で提携
18日、CNESとBSPPは、火災制御、自律ロボット、医療機器の小型化などをテーマに、実環境下での試験を通じた最先端技術開発で協力する前例のないパートナーシップを発表した。

8.フランス・欧州の宇宙戦略に関するマクロン大統領演説
20日、マクロン大統領は、フランス独自の「国家宇宙戦略」を10月末までに策定し、欧州戦略と連携させる方針を表明。2026年初頭、仏主催の宇宙サミットで官民国際パートナーとの連携強化を図るとした。

9.CNESとイル=ド=フランス地域圏、人工知能(AI)衛星データ利活用コンテスト開始
CNESとイル=ド=フランス地域圏は、衛星データ解析にAIを活用する新技術開発を促進するため、賞金総額100万ユーロの技術チャレンジを2025年下半期に開始する。

10.国際憲章「宇宙と大規模災害」25周年
20日、国際憲章「宇宙と大規模災害」が発足25周年を迎えた。憲章の下、世界17機関・9事業者が、自然災害や技術災害時に被災国、地方自治体、国連等へ無償かつ迅速に衛星画像や派生データ(地図、統計等)を提供している。

[DW編集局]