[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府
元記事公開日:
2025/07/16
抄訳記事公開日:
2025/07/18

「フランス2030」AIとサイバーを優先へ 財政立て直し目的

Dette et hausse de la production : les annonces de François Bayrou

本文:

 政府は15日、重点投融資計画「フランス2030」にもとづく投資について、財政の立て直しを理由に、2026年は主に人工知能(AI)とサイバーの領域を優先させる方針を明らかにした。

 「フランス2030」は、イノベーション創出のために重要な領域の研究開発に政府が重点的に行う投融資のプログラムの総称で、総投資額は2022~26年の5年間で540億ユーロ。大半は競争的資金プログラムにより配分され、4月の政府発表によると、すでに380億ユーロが投じられている。国として達成すべき「10大目標」を掲げ、それらに沿う形式で、AIやサイバー以外にも、医療、農業・食料主権、水素製造、原子炉開発、宇宙開発、海洋開発など、投融資対象を幅広く挙げている。

 だが2023年に国の累積債務が3兆ユーロを突破し、その額が今なお膨らみ続けていることから、バイルー首相はこの日、26年に国全体で438億ユーロの歳出削減をする計画を発表。その一環として、今回の「フランス2030」による投資の優先順位付けが盛り込まれた。

 発表された計画の一部、「生産向上計画」(Plan « En avant la production »)には、「『フランス2030』によるイノベーション投資の努力を引き続き追求するが、特にそれをAIとサイバーの領域において行う」との方針が示された。

 あわせて、AIによって企業の生産性を20%上げるとする「AIチャレンジ計画」(Plan « Osez l’IA »)、また女子学生にエンジニアリングや数学の教育を促す「数学女子計画」(Plan « Filles et mathématiques »)も盛り込まれた。

[DW編集局]