[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2025/07/08
抄訳記事公開日:
2025/08/05

地球規模課題研究基金(GCRF)、英国の研究・イノベーション体制強化への効果を中間評価:政府開発援助による国内便益に着目

GCRF: official development assistance (ODA) capacity and benefits study

本文:

(2025年7月8日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)

[編集局注:本記事は、地球規模課題研究基金(Global Challenges Research Fund:GCRF)を通じて促進された英国の研究・イノベーション能力の向上に関する便益を、多角的な証拠に基づいて明らかにするために実施された調査報告書の概要で、報告書は2024年に作成されたものである。]

2016年から2025年にかけて実施され、総額15億ポンドの政府開発援助(ODA)が投入されるGCRFは、低中所得国が直面する課題に対処する研究・イノベーション(R&I)活動を支援することを目的としてきた。

GCRSが目的達成および成果の創出にどの程度寄与したかを検証する評価は、2020年から2025年にかけて、ステージ1a、1b、および進行中のステージ2から成る3段階の複数年評価として実施され、本調査は、ステージ2における3つのモジュールのうちの一つに該当する。主な調査結果は以下のとおり。

<公平な国際パートナーシップ研究>
・英国の4構成国による品質関連(quality-related:QR)資金の配分による機関レベルでのリソースと支援が、キャリア初期の研究者に、公平な共同研究において経験を積み能力を高める機会を提供した。
・GCRFの幅広い投資により、開発分野での経験が乏しい研究者も公平なパートナーシップを構築することが可能となったが、ポンププライミング(小規模なR&I助成金)が中心的な役割を果たしたかどうかは明確ではない。
・GCRFの規模と範囲、加えてQR資金の効果により、支援なしには遂行し得なかった研究が実現したことで開発研究に新たな分野が参入し、学際研究が可能となった。
・GCRFは、公平なパートナーシップやピア・ラーニングについての上位構造(指針や要件等)や優先順位付けを導入して公平なパートナーシップの実践的推進や優良事例を支援し、さらに英国国内の政策や指針に影響を与えた。

<新たなスキル・方法論>
・GCRFは、英国の高等教育機関のジェンダー平等向上に向けた構造・組織改革の実施を助ける上で重要な役割を果たしたが、EDI(多様性、公平性、包括性)の側面においてはさらなる改善の余地が残される。
・GCRFの3年サイクルでの組織的なファンディングが、ジェンダー平等の向上、またより少ない程度においてではあるがEDIの向上について学び、関連の新たな慣行や方法論を導入する助けとなった。

<経済的文脈に対する新たな知識と経験>
・GCRFの範囲、規模、時間的な枠組みが、必ずしも首尾一貫していたわけではなかったものの、低中所得国に関する文脈についての既存の理解の拡張を可能にした。

<新たな関係・パートナーシップ>
・英国と低中所得国との間のパートナーシップ構築は英国の研究資金提供元における戦略的優先事項である。GCRFは、英国の研究プログラムとして、新たな関係・パートナーシップのための触媒となった。

[DW編集局]