[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2025/06/30
抄訳記事公開日:
2025/08/14

COMETSによる倫理的勧告:高リスク研究における科学者の責任とは

Avis du COMETS « Manipuler les virus, manipuler le climat ? Comment juger de ce qui est responsable en recherche ? »

本文:

(2025年6月30日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記記事の概要は、以下のとおり)

CNRS倫理委員会(COMETS)は、CNRS理事長の要請にもとづいて作成された意見書のなかで、人口や環境に対して高度な集団的リスクを伴う可能性のある研究に関わる科学者の責任について再検討を促している。

その具体例として、COMETSは特に二つの研究分野を取り上げている。一つはパンデミックの可能性を有する病原体の操作、特に「機能獲得」と称される実験である。もう一つは、太陽地球工学(ジオエンジニアリング)、より具体的には太陽放射の改変である。

これらの2つの分野は一見すると全く異なるように見えるが、いずれも科学界で大きな議論の対象となっている。世界的な危険をもたらす可能性のある研究を遂行すべきか否か、深刻かつ不可逆的なリスクを人口や環境に及ぼすことが科学者として責任ある行動と言えるのか、あるいは、気候変動対策、生物多様性の喪失、感染症予防といった現代の重大課題に応えるため、あえてリスクを伴う手法を探求することが責任に含まれるのか、その場合、いかなる条件の下で実施されるべきか、が検討課題とされている。

COMETSの意見書は、直接的または間接的に高い集団的リスクを伴うすべての研究に共通して適用される三つの一般的な勧告を提示しており、これらが不可欠であると強調している。

▽提起された課題は、既存の知識と知見の空白、社会にもたらされ得るリスクと利益を、客観的かつ協調的なアプローチを通じて科学的に評価すること。
▽その評価は多分野にわたる視点から行い、純粋に科学的・技術的な側面にとどまらず、関連する広範な課題を検討対象とすること。
▽研究ガバナンスに関する規則(中立性、透明性、研究支援措置、研究の継続・中止の手続き、科学協力、市民社会への開放など)を厳格に遵守すること。

この意見書は、これらの勧告を前述の2分野に即して具体化している。また、これらの研究を全面的に禁止する立場は取らず、安全性・透明性・民主的議論という厳格な条件の下での実施を推奨している。

[DW編集局]