[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2025/07/21
抄訳記事公開日:
2025/08/20

ANR、簡素化5方針を発表 書類提出の軽減など

L’ANR annonce 5 nouvelles mesures de simplification

本文:

 国立研究機構(ANR)は7月21日、一部の採択プロジェクトを対象に、書類の提出義務の軽減や時間短縮などを柱とした計5項目の簡素化の方針を発表した。事務負担量や時間を減らし、研究開発の効率を上げていくことが目的。

 発表された5方針は次の通り。

<1> 特定の7プログラムに対象に、支払い証明書の提出義務を緩和
 物品購入などの支払い証明書の提出を原則として免除し、研究者ができるだけ研究業務自体に集中できるようにする。対象となる7プログラムは、➊MRSEI(フランス主導で連携する欧州や国際的なネットワークの構築の支援プログラム)、➋SRSEI(同様のネットワークの運営支援プログラム)、➌Tremplin ERC(フランスの公的研究機関所属の若手研究者のうち、欧州研究会議(ERC)の公募で高評価を得ながら採択から漏れた者を対象としたプロジェクト改善支援のプログラム)、➍Access ERC(特に文系の研究者を対象としてERC採択を目指す支援プログラム)、➎Labcom(特に中堅や中小の企業との2者間で研究協力を行おうとする研究室を支援するプログラム)、➏若手研究者支援(いわゆるJCJCプログラム)、および➐単一チームによる研究プロジェクト支援(いわゆるPRMEプログラム)である。2026年春以降に終了する予定の全プロジェクトに適用される。

<2> 資金を受ける公的機関を対象に、支払い証明書などの提出義務を大幅に軽減
 これまでは採択プロジェクトの終了時には購入明細を全て提出しなければならなかったが、公的機関を対象に、この提出義務を10%程度にまで、大幅に軽減する。2025年秋に応募を締め切るプロジェクトから対象となる。

<3> 通常型区分(AAPG)のプログラムを対象に、採択後、契約までの期間を2か月短縮
 AAPGは、ANRが募集するプロジェクト数の8割以上の件数(「フランス2030」関係は除く)を占めるいわば”本丸”である。これらに要する時間を短縮することで、より迅速に活動を行いたい研究現場の実態にできるだけ合わせる。

<4> 企業との共同研究プログラム(PRCE)の選考を1段階のみとし、契約までの期間を6か月以上短縮

<5> 資金配分プログラムの共通ポータルの活用などにより「1回だけルール」を徹底
 フランスには、ANRを含む国内のファンディング6機関が共同で運営するポータルサイト「appelaprojetsrecherche.fr」(アペラプロジェ・ルシェルシュ・ポワン・エフエル)があり、過去の応募情報などを互いに共有できるようになっている。ANRはこれを活用するなどして応募者による自身の情報入力が1度だけで済むようにし、通称「1回だけルール」(Principe du Dites-le-nous une fois)を強化する。

 ANRはこれまでにも下記のような簡素化対策を取ってきたが、今回発表した方針は、これらをさらに発展させるものである。

▽AAPG区分の応募書類の分量について、第1段階を4ページ、第2段階を2ページに設定(2018年~)。
▽「アペラプロジェ・ルシェルシュ・ポワン・エフエル」の稼働開始(2021年)。
▽AAPG区分の採択プロジェクトについて、中間報告を廃止(2021年~)。

[DW編集局]