[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2025/07/21
抄訳記事公開日:
2025/08/25

CNRS、IEEEの新リポジトリ・ライセンス料に反対 研究者に支払い回避を推奨

Faut-il boycotter l’IEEE ? Le CNRS condamne la création de la Repository License Fee

本文:

(2025年7月21日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記記事の概要は、以下のとおり)

電気電子学会(IEEE)は2025年4月、リポジトリ・ライセンス料(RLF)と呼ばれる新たな出版料を設定している。これは著者が原稿をオープンアーカイブに寄託する際にCC-BYライセンスを付与する場合に課され、学術誌の論文で1,275ドル、会議議事録で400ドルとなる。CNRSのアラン・シュール科学担当副局長(DGDS)が注意を呼びかけている。

◇CC-BYライセンスに伴うペナルティ

CC-BYライセンスは、著者の許可なく文書の複製、共有、翻訳を可能とし、商業利用も許可するものである。

RLFによってIEEEは、CC-BYライセンスの付与に伴って失われる収入を補填し、記事の独占的利用権の損失を財政的に補おうとしている。シュール副局長によれば、RLFは、オープンアーカイブに受理された著者原稿(MAA)に、エンバーゴなしでCC-BYライセンスを追加することに対してIEEEが課すペナルティと言える。

◇IEEEへの二重支払い

RLFは、PDF版がサブスクリプション経由でしかアクセスできない場合に適用される。RLFは、ハイブリッド学術誌で支払われる出版料(APC)の新たな形態に過ぎないが、このペナルティはMAAに適用され、PDF版には適用されない点が異なる。

DGDSは、IEEEが編集サービスを保証するとしても、これは研究機関がIEEEの学術誌購読を通じて既に支払われているとしている。

◇MAAの価値を損なう悪質なやり方

これらの出版料によりIEEEは二段階の有料即時オープンアクセス制度を設定している。すなわち、一方では研究者が「フル料金のAPC」を支払うことで出版社版PDFへの即時オープンアクセスを提供し、他方、研究者がRLF(APCの軽量版に相当)を支払うことで、CC-BYライセンス付きのMAAへの即時オープンアクセスを提供する。しかし、MAA段階では出版社による組版は行われておらず、校正・修正・訂正は研究者が(多くは公的資金によって)行っており、出版社から報酬を受け取るわけではない。

◇知識の商品化がもたらす誤解を招く説明

IEEEは、研究者が資金提供者の要件を満たせるよう支援することが目的だとしているが、最良の方法はこのようなペナルティを課さないことにある。しかしIEEEの実際の狙いは、CC-BYライセンスによる潜在的な収入減を補填することである。

◇オープンサイエンス政策の原則に反する料金

これらの新たな費用は、ユネスコおよび欧州連合理事会による国際的な勧告等にも反するものであり、また、CNRSが機関方針として何度も非難してきた著者負担制度に連なるものである。

◇著者に費用を課さない他の選択肢

著者に費用を課さない選択肢は、オープンサイエンスの原則に準拠した学術誌に投稿する方法であり、それができない場合は、フランス共和国デジタル法第30条で定められた権利にもとづき、論文をMAAとして提出することである。これにより出版6か月後にMAAへのオープンアクセスが可能となり、CC-BYライセンスを付与することもできる。

さらに、このようなCC-BYライセンスに対する罰則的費用が導入されれば、IEEEに対して無償で校正や校閲を継続することの妥当性は再考されるべきである。結論として「CNRSはこれらの料金に反対し、研究者にはRLFの支払いを拒否するよう強く推奨する」とシュール副局長は述べている。

[DW編集局]