（2025年8月8日付、欧州委員会（EC）の標記発表の概要は以下のとおり）

欧州委員会は、次世代EU基金（NextGenerationEU）の中心となる復興・強靭化基金（RRF）を通じて、イタリア、ポルトガル、キプロス、マルタ、スペインの5つの加盟国に総額約428億ユーロを支出した。この支出は、EU加盟国の経済成長と強靭化を支援する欧州委員会の取り組みの一環であり、各国の復興・強靭化計画に盛り込まれた改革と投資の実施で得られた成果に基づいている。以下はスペイン、イタリア、ポルトガルの例である。

◾️スペイン
欧州委員会はスペインに231億ユーロを支出したが、これはRRFに基づく5回目の支出となる。この支出は、20件の改革と49件の投資の実現に向けた重要措置を含み、84件のマイルストーンと目標のうち82件が支出の対象となった。改革と投資には、再生可能エネルギーの導入と投資の促進、行政手続きの簡素化、クリーンエネルギー源の電力網への適切な接続などがある。また、サイバーセキュリティ産業の促進による国民や中小企業のサイバーセキュリティ耐性の強化、革新的な企業の支援も含まれている。

◾️イタリア
欧州委員会はイタリアに183億ユーロを支出した。これはRRFに基づく7回目の支出である。この支出は、10件の改革と46件の投資に関連する31件のマイルストーンと33件の目標が対象となる。イタリアは競争と透明性を高めるために重要な措置を講じてきた。イタリアでは、新たな変電所の設置、既存の変電所の最新化、送電線の強化を通じて再生可能エネルギーの送電能力が1,848MW増加し、クリーンエネルギーを供給する電力網の能力が強化された。

◾️ポルトガル
欧州委員会は、RRFに基づく6回目の支出となる13億4,000万ユーロをポルトガルに支出した。この支出は、医療、住宅、森林火災管理、再生可能エネルギー、事業環境に関する主要な改革と投資など、32件のマイルストーンと目標を対象としている。

[DW編集局]