[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立宇宙研究センター(CNES)
元記事公開日:
2014/09/18
抄訳記事公開日:
2014/10/17

CNESと諸科学、その総括と展望

Conférence de presse : le CNES et les sciences, bilan et perspectives

本文:

国立宇宙研究センター(CNES)は2014年9月18日標記報道発表を行った。概要は以下のとおり。

CNESには、国から委託されている様々な任務の中に、フランスの宇宙科学研究推進に関する任務がある。研究プログラムの提案のほか技術的専門能力の提供を行うが、CNES独自の研究室は持たず主要な公的研究機関と提携して業務を行っている。今夏大きな話題になったミッションには次のものがある。

・ロゼッタ
欧州宇宙機関(ESA)のミッションで、「Churyumov-Gerasimenko」彗星の探査を目的とする。太陽系の形成におけるその役割、地球上の海洋形成や生命の起源となる複雑な分子散布への関与の可能性など、本彗星に関する知識の深化を主たる目標とする。探査機は着陸船「Philae」を積んでおり、今年11月に彗星表面に着陸する予定である。「Philae」に関して、CNESはツールーズ宇宙センターに拠点を置く科学オペレーション・ナビゲーション・センター(SONC)から運用・管制するという非常に重要な任務を負っている。

・無人輸送船 ATV
国際宇宙ステーション(ISS)に水、食料、エンジン用燃料、科学資材を供給するATVが、2014年は7月にギアナ宇宙センターから打ち上げられた。ESAはISSへのドッキング・オペレーションをCNESに委託している。

・Mars 2020
2021年の火星着陸後に、何らかの生命体が火星上に存在するかどうかという疑問に応えることを試みる。このミッションはNASAが2022~2024年頃に計画している火星サンプル持ち帰り計画の第1段階である。Mars 2020では10件ほどの火星土壌サンプルを選別採取し、後日の地球への持ち帰りに備えて密封コンテナに貯蔵する。CNESおよびトゥールーズ天体物理学・惑星学研究所(IRAP)はレーザーおよびカラーカメラ付望遠鏡を供給する。

・SVOM衛星
多波長変動天体監視衛星(SVOM)は、ガンマ線バーストの観測・特性把握を主たる目標とする天文学ミッションである。CNESと中国国家航天局(CNSA)はSVOM衛星の2021年打ち上げに関して2014年8月2日に特別協定を締結した。CNESはフランスが分担する作業全体の統括管理を確保する。

発表では上記のほか今後数年以内に計画されている主要な科学ミッション、Euclid(暗黒物質)、Juice(木星)、Plato(太陽系外惑星)、Taranis(地上の雷、雷雨)の紹介があった。

[DW編集局+JSTパリ事務所]