[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2015/03/23
抄訳記事公開日:
2015/04/21

ANRが統括する、水に関する欧州の研究「JPI Water」

Recherche européenne sur l’eau : l’ANR coordonne la JPI Water

本文:

国立研究機構(ANR)の2015年3月23日標記記事の概要は以下のとおり。

欧州共同プログラミング・イニシアティブ「変動する世界における水関連の課題」(JPI Water)では、水に関する研究およびイノベーションの領域で欧州のリーダーシップと競争力の強化を狙う。ANRは2014年11月から、その統括・座長役を担っている。

水が量的、質的に十分な利用可能であるかは重要な問題であり、欧州のみならず全世界での公的関心事である。実際に水は、直接的な消費のみならず保健衛生、栄養、工業製品生産および輸送の点でも、日常不可欠な基盤的資源である。経済、生態系、環境、技術、人口、社会といった水に関連する規模の大きさ故に、多分野、多国間での取り組みが必要不可欠になっている。

上記状況下で「JPI Water」が2011年末に正式発足し、この分野において加盟各国が個別に取り組みを進めている状況の解消を図り、能力、知識、資源を最大限結集することになった。

2008年に欧州委員会により発案された構想であるJPIは、欧州研究圏に資する為の政府間施策である。欧州にとって、場合によっては欧州域外の諸国にとって、社会的インパクトが大きく必要性が高い研究について各国の研究プログラムの相乗効果を促進するものである。

水に関連する課題に焦点を絞った「JPI Water」は、これまでに20カ国が参加し、4カ国がオブザーバ参加している。「JPI Water」は、2020年までに次の5大目標に対処しようとしている。

・研究成果の統合を効果的に行う為に水の末端利用者を関与させること
・必要不可欠な量の研究プログラムを確保すること
・欧州の水領域における研究において有効かつ持続可能な協調を実現すること
・参加各国の水に関する研究の計画・活動について調整を図ること
・科学技術における欧州のリーダーシップを支援すること

参加メンバーは共同で共通のビジョンを展開し、次の5つの重点研究テーマについて共同研究戦略計画を策定した。

・生態系の持続可能性の維持
・市民にとって安全な水系の展開
・水関連産業の競争力強化
・水節減型のバイオエコノミーの実施
・水の循環に関する知識不足部分の補完

[DW編集局+JSTパリ事務所]