[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
元記事公開日:
2015/11/19
抄訳記事公開日:
2016/01/18

「研究会議」の今後のあり方に関するナース卿によるレビューの発表

Minister for Science responds to Sir Paul Nurse review on future of Research Councils

本文:

ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の2015年11月19日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

政府は、世界でもトップレベルの英国の研究を継続的に支援し可能な限り最適な方法で公的資金を投入するための方策について、王立協会会長のポール・ナース卿(Sir Paul Nurse)に諮問していたが、このほど英国の研究会議(Research Councils)の将来的展望に関するインディペンデント・レビューが公表された。同レビューについてジョー・ジョンソン(Jo Johnson)大学・科学担当大臣は次のように述べている。

「英国の研究基盤は世界トップクラスであり、政府はその成功を継続させるために取り組んでいる。今回のインディペンデント・レビューを歓迎する。ナース卿の提言は、各研究会議がより戦略的・効率的に共同で取り組むための重要なステップを後押しするものである。”Research UK”を設置すべきとの提言を政府は慎重に検討し、後日、本レビューに具体的に回答する。」

上記レビューでは10項目の提言がなされているが、その中で統治と組織に関する提言は次のとおり。

・戦略、研究推進策、研究コミュニティへの関与策の効果的な策定において研究会議の強化を図るべく、英国研究会議協議会(RCUK)を構成する7つの分野別研究会議の連携関係を発展的に”Research UK”とすべきである(”Research UK”はRCUK以上に研究会議および政府に対し幅広い責任を追うべき機関とする)。これにより7つの研究会議を総合的に支援し、政府への発言力を高め、研究会議の横断的な戦略に責任を持ち、処理手続きを簡素化し、研究会議の管理負荷を軽減する。
・”Research UK”の長は、財務責任者役を務められる非常に著名な科学者であるべきで、監査審査会に対する報告義務を負う。同審査会は、中立的立場の議長1名のほか、大学・慈善団体・企業の研究コミュニティの事情に詳しい高い能力を有した科学界リーダーなど非常勤役員で構成される。また、政府による様々な研究ファンディングをより良く関連付けるため、政府各省庁、イングランド高等教育資金会議(HEFCE)、Innovate UKおよびそれら機関の代表者との連繋も必要である。

・”Research UK”は次の事項に対する説明責任を有するものとする。
-適切な調整を行い、一方で必要ならば多様性を尊重することで、研究ファンディングにおけるベスト・プラクティスを確立する
-研究データ管理システムを開発し維持する
-分野横断的なファンドを管理する
-英国の総合的研究戦略を策定する
-研究行為、研究倫理、パブリック・エンゲージメントについて指導力を発揮する

※本件インディペンデント・レビュー本文は下記を参照。
https://www.gov.uk/government/publications/nurse-review-of-research-councils-recommendations

[DW編集局]