[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2016/04/26
抄訳記事公開日:
2016/06/21

万鋼:複数の国家実験室を設立へ

万钢:科技部将组建一批国家实验室

本文:

2016年4月26日付の「中国科学報」ネット版は、「科学技術部は、複数の国家実験室を設立へ」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

4月26日、「第13次五ヵ年計画の展望」報告会が北京で開かれ、科学技術部の万鋼部長は、「イノベーション駆動発展を展望し、科学技術イノベーションの牽引作用を強化するための方策」に関して報告を行った。

万鋼部長は、「長年にわたり、中国のR&D経費支出のうち、基礎研究が科学技術経費全体に占める比率は5%ぐらい。この比率は主なイノベーション型国家と比べてずっと低いもので、しかもその大部分は中央財政の投入である」と指摘した。

万鋼部長は、「今後5年、科学技術部は更に基礎研究への投入を強化し、引き続き中央財政の主体性を発揮させるとともに、地方財政及び企業の基礎研究への投資を誘導する。その他、科学技術部はイノベーション環境を向上させ、イノベーション政策を着実に実施するように努力する。第13次五ヵ年計画期間(2016-2020年)に、科学技術部の重要な任務は重大なイノベーション分野における複数の国家実験室を設立することである。国家実験室は国家戦略イノベーションの最高レベルの研究拠点を代表し、新興産業の発展に重要な影響力を持って、往々にして重大な科学研究成果の誕生地となることを目指す。現在、中国における国家実験室の設立の鍵は、管理メカニズムの設計と分野・領域の選択である」と表明した。

万鋼部長の説明によると、国家イノベーション駆動発展戦略によって、2020年向け重大特定プロジェクト及び2030向け重大特定プロジェクトは戦略的に計画されている。例えば、2020年向け重大特定プロジェクトには、中国はICTにおける核心的な電子部品、先端ICチップ、基礎ソフト、超大規模集積回路製造技術、次世代ブロードバンド・無線移動通信等のプロジェクトを実施し、2030年には量子通信と量子コンピュータ、国家サイバー・セキュリティ、「天地一体化」(衛星通信と地上通信の一体化 )情報ネットワーク、ビッグデータ等のプロジェクトを実施する予定である。その他、科学技術部は第13次五ヵ年計画期間(2016-2020年)に国際競争力を持つ現代産業技術体系を構築し、産業変革を牽引することを目指す。

[JST北京事務所]