[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2016/11/15
抄訳記事公開日:
2017/01/05

第10回ナショナルITサミット

Auf dem Gipfel der Debatte

本文:

第10回ナショナルITサミットがザールブリュッケンで開催されることとなり、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ヴァンカ大臣はサミットの幕開けに当たり、「デジタル化とそれに伴う我々の日常生活における変化は政界、産業界、アカデミア、市民社会におけるトップ・テーマである。今年のナショナルITサミットはデジタル教育に焦点を当てており、新しい重要テーマとなっている。学校教育から終身学習に至るデジタル教育は、全ての力とリソースを結束できれば、サクセスストーリーとなり得るものであり、ITサミットはこれを実現するための理想的な出発点となりえる。共通の目標は明らかで、新たな教育チャンスを皆のために提供するものである」と語った。

二日間開催されるサミットでは、デジタル教育関係の色々な催しや、さまざまなプロジェクトとそれに関連する展示が予定されている。ヴァンカ大臣はザールランド州首相と共にドイツ初の「スマート・スクール」を開校する。ザールブリュッケのベルビュー総合学校(Gesamtschule)※は、今後5年間に高性能のデジタル・インフラを有した「デジタル学校」へと変貌する、同時に、適切な教育コンセプトおよび教師のための訓練コースが整備される。

スマート・スクールの開校と平行してITサミットの公式プログラムがスタートする。

ザールランド大学のキャンパスでは、ヴァンカ大臣とシェールグループの創設者で元ザールブリュッケン大学経済情報学研究所長シェール氏が主導するプラットフォーム「教育および科学におけるデジタル化」の関係者が、大学や研究の諸テーマと取り組む。中心となるのは、大学教育デジタル化の影響に関するハイレベルの討論ならびにオープンデータの利用における産業界と大学の協力改善である。学習のためのデジタル・メディアはどのようなポテンシャルを持っているのかを、プラットフォームのメンバーが「ラーニング・パーク」で示してくれる。産業界および政界のサミット参加者とザールランド州の生徒たちとの会合も予定されている。

2日目にはメルケル首相がヴァンカ大臣と共にスマート・スクールのサテライトとなる、デジタル・ラーニング・ラボを訪れる。生徒たちはスマート・スクールの現場からライブで首相に、デジタル学習の世界における自分たちの経験について報告する。

ITサミットでは連邦および州、産業界と労働組合、基礎研究と応用開発領域等の様々なセクターの関係者が一堂に会する。ヴァンカ大臣、ナーレス連邦労働大臣、ボゲダン文部大臣会議会長、企業の代表者が、連邦と州がいかにしてデジタル教育を前進させることができるかについて討論する。ヴァンカ大臣は10月にBMBF戦略「デジタル知識社会のための教育」を発表した。この戦略の中心要素はDigitalpakt#Dで、デジタル教育の強化のため、州に対して10億ユーロ単位の資金を提供するというものである。

※ 従来の教育制度にはない新しい形態の小学・中学(10年生まで)一貫の学校。ドイツでは4年間の初等教育後に中学(Hauptschule/Realschule)+職業訓練学校に進むか、5年生から12年生までの普通科コース(Gymnasium)に進学するかを選択している。新形態である総合学校を終えたあと、普通科に編入し、高校卒業試験(Abitur)を受験することもできる。

[DW編集局]