[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2017/02/16
抄訳記事公開日:
2017/04/03

AAASの報告書、政策に科学者を参画させる効果的方法を分析

AAAS Report Analyzes Effective Ways to Engage Scientists in Policy

本文:

2017年2月16日付の米国科学振興協会(AAAS)の標記発表の概要は以下のとおりである。

社会が直面する課題が複雑化するに伴い政策決定における科学の必要性が増していることから、AAASは科学者や技術者を政策環境に物理的に配置してプログラムの全景図を示す報告書を発表した。非常に異質な両方の世界の橋渡しをするのに必要な個人的関係、信頼、生産的対話の展開に最も適した進め方について述べている。

本報告は少なくとも部分的には1973年に開始されたAAAS科学技術政策フェローシップ・プログラム(STPF)から育まれたものである。このフェローシップ・プログラムでは、3,000人以上の科学者・技術者を米国の議会事務局や委員会、行政府の各省庁、ごく最近では司法機関に配置している。国際的にもモデルとみなされている本フェローシップ・プログラムはこれまでに、独自のプログラムの立ち上げに関心を持つ政府、団体、科学者らからの問い合わせを受けている。これまでに州、国家、国際レベルの各機関がSTPFをモデルとした10件のプログラムを立ち上げており、さらに2件が計画中である。

水、食料、エネルギー、医療、経済、環境、安全保障に関連する課題に直面して、政策決定に科学的根拠に基づく情報を適切に取り込む必要性が全般的に増大していることを受けて、ゴードン&ベティ・ムーア財団はプログラムの成否に関わる要因やベスト・プラクティスを判断する目的で、STPFなど科学政策のメカニズムを分析する18か月間の作業にファンディングを行った。

過去の成功例に由来する没入型プログラムに基づく本報告の焦点は、政府に偶発的に提出される特定の問題に関する科学的報告というよりは、科学者と政策決定者の間に確立された個人間のつながりに関係がある。本報告書は科学と政策決定に関与する約200の様々な関係者からの情報をもとに作成された。科学と政策の間でナビゲートできる科学者の需要を現在および将来にわたって満たすべく、世界中の次世代科学者の確保・育成に政策決定者と共同で適切な制度的支援に取り組んでいる科学者や技術者がいる。報告書ではそのような科学者や技術者の市民として貢献についてもっとよく認識するよう求めている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]