[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
科学技術部(MOST)
元記事公開日:
2017/03/13
抄訳記事公開日:
2017/05/09

科学技術部の万鋼部長:イノベーション駆動発展戦略の実施等について記者会見

创新驱动发展下一步怎么干?科技部部长万钢划重点

本文:

2017年3月13日付の科学技術部(MOST)ウェブサイトは、「科学技術部の万鋼部長:イノベーション駆動発展戦略の実施等について記者会見」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

3月11日、第十二期全国人民代表大会第五回全体会議が北京で開かれ、科学技術部の万鋼部長は2016年イノベーション駆動発展戦略の実施成果及び科学技術政策の実施、科学研究経費の改革、科学技術成果の転化、国家ハイテク区(高新技術産業開発区)の発展等を含む2017年の重点業務について以下のように述べた。

2016年は「第十三次五カ年計画」の初年度であり、中国科学技術の総体的実力を持続的に向上させ、経済社会発展を牽引する役割が顕著に増強した。また、科学技術体制改革は顕著な進展を遂げ、一連の政策制定が実施されつつある。2017年は「第十三次五カ年」計画を全面的に実施する重要な一年であり、我々は改正のメカニズムを構築し、サービスの能力を向上させ、各種政策を更に実行するように努力する。主要な活動は以下の通り。

一、科学技術イノベーション2030―重大プロジェクト:
1.「国家イノベーション駆動発展戦略要綱」と「第十三次五カ年」計画要綱に基づき、2030年に向け長期的な国家発展戦略、人民の生活と緊密的に関係する重大科学技術プロジェクトと重大工程を配置する。
2.重大特定プロジェクトと科学技術イノベーション2030―重大プロジェクトは主に電子情報、先進製造、エネルギー・環境、生物・健康、海洋・宇宙等の5大分野に集中し、実施中には分野間でも密に連携を図るようにする。
3.現在、航空発動機とガスタービンの特定プログラムが始動され、深海空間ステーション、宇宙と地上一体型の情報ネットワーク、量子通信と量子コンピューター、脳科学と脳型研究等の重大プロジェクトの実施案の編制を始め、2年以内には実施する見込みである。

二、科学研究経費の管理:
1.科学研究者が精力的に科学研究に専心し、プロジェクト経費予算と財務管理において科学研究者の負担を軽減するために、研究機関と課題チームが科学研究の財務アシスタントを配置でき、各経費支出の業務をサポートする。
2.科学研究プロジェクトの経費について規範管理を行い、審査回数の減少や審査結果の共有など、管理サービスを強化して、大学、科学研究機関等の管理面でより多くの自主権を与える。

三、人工知能イノベーション発展計画:
1.人工知能発展の新たな情勢に対応し、特に鍵となる技術、情報技術融合、マンマシンコーディネート操作制御、群知能(Swarm Intelligence, SI)及び開放研究等に力を入れる。
2.経済建設、社会民生、環境保護事業等における人工知能の応用を推進するために、科学技術部は、現在中国人工知能イノベーション発展計画を策定中である。その他、中央財政が特定プログラムを設立し、基礎研究、核心・鍵技術、ジェネリックテクノロジー(generic technology)等の研究を支援する。

四、科学技術成果を現実の生産力に転化させることを促進:
「中華人民共和国科学技術成果転化促進法」を改正し、「『中華人民共和国科学技術成果転化促進法』実施に関する若干の規定」を公布した。「国家科学技術成果移転転化促進行動実施方案」の実施や完備により、成果転化政策体系が徐々に形成されている。

五、国家ハイテク区による地域経済発展の牽引役としての役割を更に発揮:
1. 現在、国家ハイテク産業開発区の数は156カ所に達し、国家体制メカニズム改革の「実験地」と「前端陣地」となっている。また、17カ所の国家自主イノベーションモデル区が地域経済発展に巨大な牽引作用を有している。
2.今後、更にハイテク産業開発区の牽引作用を発揮させ、政策の先行試験、放射応用作用及びハイテク産業の普及を推進する。

[JST北京事務所]