[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/05/02
抄訳記事公開日:
2017/07/03

NSF工学研究センターの戦略的方向性

New Report Lays Out Strategic Direction for NSF’s EngineeringResearch Centers

本文:

5月2日付けのNASEM(全米科学・工学・医学アカデミー)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NASEMは新たな報告書で、NSF(国立科学財団)は、産官学パートナーシップであるエンジニアリング・リサーチ・センター(ERC)を再活性化する必要があるとし、その解決策が社会的に大きな利益をもたらすような大きな課題に取り組むことで、変革的な工学システムを創出できると述べている。

ERCには、最も有能な教員や学生を引き寄せ、センター運営の負担を軽減するために、更なる投資を行い、米国のトップ企業やDARPA(国防高等研究計画局)などの組織で実践されているチーム研究と価値創造のベストプラクティスを取り入れるべきである。これらの変革を受けて、ERCはConvergent Engineering Research Centers (CERCs)と名称変更されるべきである。

NASEM報告書の具体的な推奨事項は次のとおりである。

リーダーシップ:CERCに、大きな社会的課題の解決に向けて、密接に研究協力するという目標を達成する最良の機会を与えるため、NSFはCERCリーダーが複雑で大規模プログラムを実行する能力を有し、またチーム研究と価値創造を実践する能力があることを確保しなければならない。

工学教育:工学教育の進展を考慮し、共同作業、ワークショップ、セミナー、人事、倫理教育等の産官における専門知識の提供やインターンシップによる経験等を介して、デザインおよび起業スキルの習得機会を学生に与えるべきである。

総括目標と指標:現在のERCの評価指標は、卒業学生数、論文数、特許数に集中する傾向があるが、これらのアウトプット指標は、ERCの最重要インパクトを表わしていない。 NSFは、例えば、卒業生の重要な職位に配置された数やERCにより創出された知的価値が広範に利用されている証拠などを指標とすべきである。

同報告書はさらに、ホスト機関がCERCと協力して、CERCがその主要な研究ミッションに集中できるように、K-12学校への多様な教育的アウトリーチを行うべきであると述べている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]