[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2017/06/28
抄訳記事公開日:
2017/09/04

2015年博士号取得者調査の網羅率の向上と研究分野の報告

The 2015 Survey of Doctorate Recipients Expands Its Population Coverage and Reporting on Field of Study

本文:

6月28日付けのNSF(国立科学財団)による標記記事の概要は以下のとおりである。

米国における博士号取得者の雇用状況をより良く理解するために、NSF内のNCSES(科学技術統計局)が2015年にSDR(Survey of Doctorate Recipients: 博士号取得者調査)を実施した。同調査の対象者数は2013年の前回調査の約4.7万人から2倍以上の約12万人に拡大している。これにより、より細かい属性に基づく雇用特性の分析が可能となり、博士号取得者の国際移動のあり方が明らかになった。

2015年には、米国で推定104万7,900人がSEH(科学技術、工学、健康)分野において博士号を取得しており、これは2013年から13%の増加である。SEH博士号取得者の92万50人(88%)が米国に居住しており、12万7,800人(12%)が米国外に居住している。

2015年の米国居住のSEH博士号取得者のうち、87%が労働力人口であり、そのうちフルタイムが76%、パートタイムが9%である。米国居住のSEH博士号取得者の失業率は1.8%と低い。米国非居住のSEH博士号取得者のうち94%が労働力人口であり、失業率は1.2%である。米国で雇用されているSEH博士号取得者のうち、47%がビジネス/産業分野で、45%が教育機関に勤務している。対照的に、米国非居住のSEH博士号取得者の66%が、教育部門で雇用されている。

米国でSEH博士号を取得した者の40%近くが米国外で生まれであり、最初のSEH博士号の取得後、大部分(73%)は米国に在留している。外国生まれの博士号取得者には、卒業時に永住者取得者(15%)、臨時ビザ取得者(72%)、米国市民権取得者(13%)が含まれる。

2015年のSDRは調査対象を拡張したため、200以上のFFODs(fine fields of degree)内での博士号取得者による研究開発活動の信頼性の高い評価が可能になった。2015年は米国内で雇用されているSEH博士号取得者78万7,250万人のうち、41%が主業務として研究開発を行っている。主業務として研究開発を行っているSEH博士号保持者の割合は8つの学位の分野により大きく異なっており、心理学博士の18%から工学博士の54%におよぶ。

研究開発集約度(R&D intensity)についても、FFODsごとに大きく異なる。例えば、生物学、農学、環境の広範なライスサイエンス分野下の、63のFFODの研究開発比率(R&D rate)は動物繁殖学や解剖学の博士号取得者では約25%にすぎないが、構造生物学、バイオメトリクスおよび生物統計学、バイオテクノロジーの博士号取得者では、60%以上となっている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]