[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/10/02
抄訳記事公開日:
2017/11/14

複数情報源からのデータの一体化を目的とした新たな統計組織創設に関する連邦政府へのガイドライン

Report Offers Guidance to Federal Government on Creating a New Statistics Entity to Combine Data From Multiple Sources While Protecting Privacy

本文:

10月2日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NASEMは最近の報告書で、(失業率や暴力犯罪率などの)より現実に即したタイムリーで詳細な統計を提供する目的で複数情報源からのデータを一体化できる新たな組織の創設に関して、連邦政府各統計当局が指針とすべき詳細な提言を行っている。報告書では、新規組織の構造に関する選択肢を吟味し、個人のプライバシーを保護しつつ複数の情報源を結合する方法を特定し、そのための要員育成が必要となる領域を特定している。

2017年1月に発表した前報告書では、複数情報源からのデータへの安全なアクセスを促進するための組織の設立を提言した。今回の報告書は前回提言に基づくもので、データを一体化した新組織により詳細でタイムリーな更新が可能になり、意思決定者に対して重要な経済的、社会的、公衆衛生上の指標に関する情報を提供できることに注目している。報告書では、そのような組織の展開プロセスの詳細を述べ、その実施に関して提言している。

報告書ではプライバシー保護は新たな組織設計では最優先に考えるべきものとしており、各統計当局に対して(安全な分散型コンピューティング、暗号、プライバシー保持、プライバー強化の技術など)最新のコンピュータ科学技術について技術要員の育成を要請している。そうすることでより良好なセキュリティが確保され、プライバシー保護の強化が可能になる。報告書はまた、プライバシー・リスクを最小にできる技術的方式も特定している。

報告書はまた、方針や最新のベスト・プラクティスについて新組織に助言する諮問委員会の設置を提言している。この組織は連邦政府の統計に関するプライバシー保持・プライバシー強化技術の適用・評価について、連邦政府統計システムおよび学術界全体にわたる研究を調整する貴重なセンターとして機能し得る。

上記を実行するには、この組織は、ここを通じてアクセスされるデータの機密の保護とデータが統計の目的にのみ使用されることを保障するための強力な法的権限を必要とする。加えてこの組織の法的基盤は、データのアクセス、接続、解析の提供において、および統計情報の作成、提供において、政治的その他の不当な影響から独立性を保つ必要がある。また新組織は、この組織を通じてアクセスされるデータ源の概要を公開ウェブサイト上に掲載してその統計業務の透明性を最大化する必要がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]