[本文]

国名:
米国
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/09/28
抄訳記事公開日:
2017/11/17
元記事の言語:
英語

DOEは公有地におけるエネルギー開発を促進すべき

DOE Should Take Steps Toward Facilitating Energy Development on Its Public Lands

本文:

2017年9月28日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による報道発表の概要は、以下のとおりである。

NASEMは、米国エネルギー省(DOE)の管理下にある公有地(「DOE管理地」)におけるエネルギー開発の促進に関する報告書(「DOE管理地における潜在的エネルギー資源を活用する(Utilizing the Energy Resource Potential of DOE Lands)」)を発表した。

この報告書は、DOEに対してその管理下にある32州の164サイトの中からエネルギー資源開発の対象として有望な特性を有する土地を見出すための一連の活動を提言している。

報告書の要点は、次のとおりである。
○ 公有地における資源開発の可能性検討と市場の活用については他の省庁も努力してきたが、それに比してDOEの取組みはまだ不十分である。しかし、DOEは、エネルギー資源に関して高度で幅広いスキルと技術的能力を有しているので、DOE管理地の開発とそのための官民協力の創出に中心的な役割を果たすことができるだろう。

○ DOE管理地におけるエネルギー資源開発の可能性については、DOEからの委託により国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory(NREL))およびコロラド鉱山大学(Colorado School of Mines)が分析しており、今回の調査ではこの分析がレビューされた。

○ DOEがエネルギー開発のために利用可能なDOE管理地の正確かつ実用的なリストを作成することを勧告する。そのためには、民間開発事業者と共にDOE管理地に関する企画、開発およびリースに取り組むプログラム管理事務所(program management office)を開設することも一案である。

○ DOE管理地の利用を適切に進めるためにDOEが取り得る一連の措置は、次のとおりである。
-第1段階: 最良の商慣行を踏まえた形でDOE管理地の活用を進めるため、民間開発事業者の参加を得る。
-第2段階: 政府の収入を確保しつつ民間開発事業者がDOE管理地を利用できるようにするための管理手続きを確立する。
-第3段階: エネルギープロジェクトの開発に関するコスト・便益見積もりの精度向上のため、それまでに収集された情報を活用するとともに選ばれたプロジェクトについてのケーススタディを実施する。
-最後の段階: 最も有望なコスト便益特性を示すDOE管理地を特定した上で、その土地でエネルギープロジェクトを開始するために商業的なインプットを募る。

○ エネルギー資源別にまとめられた提言の要点は、次のとおりである。
● 太陽エネルギー
NRELによる分析はDOE管理地で得られる太陽エネルギーの価値を過小評価している。太陽光発電と太陽熱利用についてより幅広い視点から評価し、技術的、経済的および市場的可能性を検討すべきである。
● 風力エネルギー
政府による優遇策を考慮した上でDOE管理地における風力エネルギー開発の可能性を明確にすべきである。NRELの分析では風力エネルギーの規模を100メガワット以下と仮定していたが、そのような制限は評価の精度向上のため見直すべきである。
● 地熱エネルギー
地熱エネルギー開発に関わる民間セクターが限られていることを考慮すると、DOEサイトにおける地熱エネルギー開発のためには、民間の地熱エネルギー開発事業者とDOEが直接協議する必要がある。
● 石炭資源およびウラン資源
資源開発にあたり、環境要因、法的要因等との関連において困難な事情のあるDOEサイトは開発の検討対象から除外すべきである。また、有望なサイトを選定する際には、サイト固有の地質学的情報を考慮すべきである。
● 石油・天然ガス資源
開発に広い土地が必要となることから、DOE管理地における石油・天然ガスの開発は難しい。したがって、これ以上検討を続けるべきではない。
● 原子力エネルギー
原子力発電は将来の低炭素化に取り組む上でメリットがあることから、DOEは新型炉の開発に資金提供を続けている。原子力エネルギー研究開発の大部分がアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)で実施され、他の場所での研究開発を検討していない状況を踏まえると、これ以上検討を続けるべきではない。

この報告書をまとめた委員会の委員長であるPaul DeCotis氏(ウエスト・モンロー・パートナーズ社(West Monroe Partners)エネルギー・公益事業部門上級部長・東部地区主席)は、次のように述べた。
- DOE管理地の開発は公的利益と私的利益の重なる部分が大きく、また、エネルギー自立と国家安全保障の強化という国家目標の達成に資するものである。
- 最適のサイトで開発された最も収益性の高い資源により、DOE管理地は革新的エネルギー技術の商業化および研究の拠点となることができる。
- DOEはDOEの全てのプログラムと事務組織がひとつにまとまってDOE管理地におけるエネルギー開発に取り組むために必要な方向付けと資金を提供することができると委員会は信じている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]