[本文]

国名:
ドイツ
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/10/19
抄訳記事公開日:
2017/12/07
元記事の言語:
ドイツ語

環境汚染プラスチックを追跡

Dem Plastik auf der Spur

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は環境汚染プラスチックに関する総合的な研究プログラムを立ち上げることとし、概略下記のような報道発表を行った。

現在の世界的なプラスチック汚染はどのような規模なのか、その原因および影響は何なのか。BMBFは新たな研究重点「環境の中のプラスチック」(Plastik in der Umwelt)によってこうした問題と取り組むことになった。アカデミア、産業界、各種団体、市町村等からなる100を超える機関による18の合同プロジェクトによってプラスチックの製造、利用、取り扱い、処分といった全体像を明らかしていく。

BMBFは合計3,500万ユーロを投入し、プラスチックをテーマとする世界最大の研究プログラムの一つを立ち上げる。これらプロジェクトは2021年までの継続され、最初の研究結果は2018年下半期に発表の予定となっている。

世界的規模の調査や活動にもかかわらず環境プラスチックの由来、広がり、環境への影響など多くの点でいまだに不明なことが多い。プラスチックのライフサイクル全体の理解を深めることによって環境におけるプラスチックごみの減少につなげる対策を策定することが目的である。特に教育的な措置によって国民の意識を高め、環境汚染を削減するために国民の行動の在り方を変える意識改革をしていく。

ヴァンカBMBF大臣は「この新たな研究重点により、プラスチックは製造から処分までどのような経路をたどり、河川に到達するのかという基本的問題を解明したい。これはこれまでに類例のないほど、技術的なイノベーションだけでなく、社会的イノベーションも重要となってくるもので、BMBFの持続可能な発展に関する研究イニシアチブの一つである、グリーン・エコノミーへの移行に向けた欠くべからざる礎石となるものである」と語り、「同時にドイツはその環境研究における能力、グリーン・エコノミーの革新的な企業により国際的に重要な役割を担うことになる」と続けた。

特に河川や海洋でプラスチックごみは大きな環境問題となっており、プラスチック廃棄物は魚類、鳥類、海獣にとってどこにでも存在する危険ともいうべきものである。マイクロプラスチック即ち5mm以下の粒子も内陸水域および海洋に達している。こうした小さな粒子はそこで貝、エビ等によって摂取され、人間の食物連鎖にも入ってくる。それらが有害かどうかは、これまでのところまだ証明されるに至っていない。

こうした中で、ベルリン工科大学は「環境におけるタイヤ摩耗粉じん」と題する研究プロジェクトでコーディネーターを務め、道路排水中のタイヤの摩耗から発生するマイクロプラスチック粉じんを量的に把握することに取り組んでいる。ドイツだけでもその量は年間6万から10万トンと推定される。タイヤの摩耗ゴムに含まれるポリマーがマイクロプラスチックとして雨水と共に下水に流れ込み、河川に達していると見られている。

この他にも、家庭の洗濯で合成繊維から出されるマイクロプラスチック粒子による汚染を軽減することを目的とした研究プロジェクトもあり、産業界、研究界、環境保護団体など8組織がこのプロジェクトのパートナーとなっている。

世界の海洋におけるプラスチックごみによる汚染に関心を喚起するためBMBFはドイツ海洋研究コンソーシアム(KDM)と協力し9月からOcean Plastics Lab巡回展示を実施しており、11月にはパリを巡回予定地としている。

[DW編集局]