[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2017/10/31
抄訳記事公開日:
2017/12/12

EPA科学諮問委員会の判断に関するAAASの非難声明

AAAS Statement on EPA Science Adviser Boards

本文:

2017年10月31日付の米国科学振興協会(AAAS)による標記発表の概要は以下のとおりである。

正規の科学専門家が環境保護庁(EPA)の科学諮問委員会の委員として証拠に基づいて情報提供することを不許可としたEPA当局の判断を、AAASは非難する。EPAのこの判断は政治的な動機によるもので、正しい科学的情報の提供という観点で望ましくない。連邦政府省庁は最も適確な証拠となる科学技術情報を認知し、そのインプットを可能にする必要がある。政府は、政府の科学アドバイザーが省庁の政策に資するに必要な科学的、医学的、技術的専門能力を備えていることを保証しなければならない。同時に政府は透明性を高めて利害の衝突を防ぐ必要がある。国立衛生研究所(NIH)からEPAに至るまで各連邦省庁は科学的妥当性や金銭的利害対立に関する方針を有しており、それにより透明性の維持と専門情報の利用との間のバランスをとることが可能である。

環境科学研究に従事する第1級の科学専門家は、金銭的利害対立に関する適正な方針を満たしている場合であれば、EPAの科学諮問委員会等への出席を妨害されてはならない。政策決定者が科学的客観性を攻撃する口実として政略を用いる場合には、科学や証拠に基づく政策決定における科学の活用は目的を達成できない。専門家が述べる展望や科学情報の役割を狭めようとする意図があるとすれば、EPAが人の健康や環境を守るという中核的任務の遂行を継続できるかどうかは疑問である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]