[本文]

国名:
米国
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/12/06
抄訳記事公開日:
2018/01/29
元記事の言語:
英語

高強度・超高速レーザー技術における米国の国際優位性が失われている

New Report:U.S. Has Lost Its Dominance in Highly Intense, Ultrafast Laser Technology Europe and Asia

本文:

12月6日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記記事の概要は以下の通りである。

米国は製造業、医療、国家安全保障で広く利用されている高強度・超高速レーザーの第二次レーザー革命においてその地位を失いつつある。現在、高強度レーザーシステムの80〜90%は米国外にあり、また現在建設中または建設されている最大出力の研究用レーザーはすべて米国外にある。

NASEMは「Opportunities in Intense Ultrafast Lasers: Reaching for the Brightest Light (2017)」という新報告書を刊行し、その中で、レーザー分野での米国の世界的地位を向上させるために5つの勧告を行っている。これには、米国エネルギー省(DOE)によるこれらのレーザーの科学、応用、技術を支援するための広範なネットワークの構築や、少なくとも一つの大規模なオープンアクセスの高強度レーザー施設を計画し、それによりDOE内の他の科学インフラを活用できるようにすることが含まれている。

本報告書は、高強度のペタワット級パルスレーザーに焦点を当てている。そのようなレーザー源は、素粒子を加速・衝突させたり、核反応を起こしたり、星の中と同じまで物質を加熱したり、あるいは空間から物質を生成するような条件を作り出すことができる。このような強力なレーザーは米国で開発されたが、過去10年間、ヨーロッパとアジアの研究ファンデイング機関は、科学の広範な分野に高強度レーザーを使用する新たな共同研究や施設に莫大な投資をしている。

本報告書を執筆した委員会は、高強度で超高速のレーザーは、核兵器備蓄、産業応用、そして医学等に幅広く応用可能であると結論づけている。また、高強度レーザーは極めて重要な科学機関を可能とし、既に大規模で才能に富む技術コミュニティを有しているが、様々な分野に断片化されている。産業界と政府の協調関係は限定的で、しばしば不十分であると述べている。これを打開するために、同委員会はDOEが、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)、国防総省(DOD)、国立科学財団(NSF)、その他の機関と連携して、大学、産業界および公的研究所を含む広範な国家ネットワークを構築するよう勧告している。

さらに同委員会は、国家による大規模プロジェクト、大学で行う中規模プロジェクト、そして、産学官間の技術移転を伴う技術開発プロジェクトを網羅する高強度レーザーのための包括的省庁間国家戦略の策定をDOEが主導するよう要請している。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]