[本文]

国名:
米国
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2018/05/02
抄訳記事公開日:
2018/07/04
元記事の言語:
英語

エネルギー省が量子サイエンス・イニシアチブに3,000万ドルを投資

Department of Energy to Invest $30 Million in Quantum Science Initiative

本文:

5月2日付、エネルギー省(DOE)の標記記事の概要は次のとおりである。

エネルギー省のペリー長官はDOEが向こう3年間に量子情報科学(QIS)に3,000万ドルを投資する計画であると発表した。QISは新しく、広範囲にわたる研究で次世代コンピュータや情報処理、その他の様々な革新的技術の土台となるものである。

この新しいイニシアチブは、年間1,000万ドルを3年間に亘って、DOE傘下の国立研究所にある5つのナノスケール・サイエンス研究センター(NSRCs)に、研究や新しい設備のための競争的資金として提供するものである。これにより、これらの研究所では、新しい量子時代に向けて第一歩を踏み出す。資金提供終了後の支援については議会の予算承認により決定される。NSRCのQISイニシアチブはDOEの科学局が2018年度に計画している一連のQISに対するファンディングの一環である。

QISに対する関心は必要性と機会により高まっている。必要性は、ムーアの法則が減速していることから来る。これは、1965年にインテル創業者の一人であるゴードン・ムーア氏が提唱した有名な予測で、マイクロチップのトランジスターの集積率が年々2倍になることから、コンピュータの処理速度が年々2倍に増える(後に18ヶ月ごとに修正)というものである。しかし、近年、チップごとのトランジスター数が物理的限界に近づき、倍増のペースが減速した。将来のある時点において、「古典物理学」、すなわち通常の物理学の世界ではこのような倍増は不可能になると予想されている。このことから、研究者は、代替手段を求めて、「量子物理学」の世界、すなわち素粒子の現実を調査するに至った。

こうした機会は、量子の世界をより厳密に探求することが可能になったことによる。NSRCsのようなナノサイエンスや最先端のナノテクノロジー研究施設が出現し、量子の実際を研究するための重要な出発点となった。DOEが量子研究の次の段階に移るのはこうした背景がある。

NSRCの利用者は大学、国立研究所、非営利団体、企業を含め、年間3,000人にのぼり、QISイニシアチブの成果である新しいNSRCの能力の展開による利益を享受できるものと期待される。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]