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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2018/09/05
抄訳記事公開日:
2018/10/11

未来のためのハイテク戦略2025(HTS2025)

Leitfaden für die Zukunft

本文:

ドイツ連邦閣議が2006年にスタートした「ハイテク戦略」から4期目となる「ハイテク戦略2025(HTS2025)」を決定し、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ハイテク戦略2025は未来のためのガイドラインとしてドイツにおける繁栄、持続可能な発展および生活の質を向上させることを目標に、研究とイノベーションを結集させるものである。連邦政府は2018年だけでも150億ユーロ強を投資する。

カルリチェク大臣は、「ハイテク戦略2025により、人々に新しい展望と、未来に向けての勇気ややる気を生み出すための指針を示すものである。賢明な研究開発投資とイノベーションを効果的に進めることにより、重要課題を克服し生活の質を向上させることができることを私は確信している」と語った。

連邦政府は、いかにして現代の重要課題を克服することができるのかを示し、市民が実感できるような進歩を達成したいと考えている。がんに対する戦い、都市と地方の格差解消、プラスチックごみの削減といった社会的課題のためのの12ミッションを挙げている。

HTS2025では、マイクロエレクトロニクス、材料、バイオテクノロジー、人工知能といった技術領域を「未来技術」と位置づけ、振興しながら教育訓練および継続教育の諸問題と密接に結びつけている。カルリチェク大臣は、「新しい技術は先端知識が集約されており、成功への鍵は先端科学を担う人材育成と人材、オープンでイノベーションを歓迎する社会である。このためにドイツにおいてデジタル教育と新しい継続的な教育文化を必要としている」と述べた。

併せて連邦政府は、(創造的アイデアのための自由な空間を提供し、積極的にドイツに新しいイノベーション人材を取り込む)イノベーションとベンチャーのためのオープンな文化への移行を支援していく。

より多くの研究成果が活用されるよう、連邦政府は技術移転を強化し、中小企業における起業家スピリットや研究開発力を振興し、欧州に限らず国際的なネットワークそしてイノベーションパートナーシップとの結びつきを強化していく。

新たな振興策の中心となるのが、飛躍的イノベーション庁の設立および特に中小企業を対象とする研究振興税制である。

HTS2025により連邦政府は包括的、戦略的な研究・イノベーション振興策を定め、今後数年における省庁横断的な研究・イノベーション政策の目標、優先事項、マイルストーンを設定している。ドイツは、欧州2020戦略の総研究開発費対GDP比3%目標を期限前にほぼ達成したEU諸国の数少ない国の一つであるが、2006年の第一期ハイテク戦略から現在まで施行された政策が寄与したといえる。研究・イノベーション拠点としてのドイツを一層発展させるため、連邦政府は産業界および州政府と共に、2025年までに対GDP比3.5%を研究開発に投資することを決意した。

[DW編集局]