[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2018/06/13
抄訳記事公開日:
2018/11/22

130億ユーロの欧州防衛基金(EDF)による安全保障・防衛力の提供者としてのEUの役割強化

EU budget: Stepping up the EU's role as a security and defence provider

本文:

欧州委員会の6月13日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

次期長期EU予算(2021~2027年)において、欧州委員会は(”Horizon Europe”以外の研究・イノベーションとして)EUの戦略的自主性を高め、EUの市民を守り、EUをより強固な国際社会の一員にするための能力の強化を提案している。

130億ユーロの欧州防衛基金(EDF)は、暗号化されたソフトウェアやドローン(無人機)技術などの分野の最先端で完全に相互運用可能な技術や機器に、国境を越えた投資を行うための資金源を提供する。さらに、EU上級代表は、欧州委員会の支援を受けて、EUの長期予算外の手段で105億ユーロの欧州平和ファシリティ(European Peace Facility)を新たに提案している。これはEUの紛争予防能力、平和構築能力の向上のほか国際安全保障の確保に資するものである。

● 欧州防衛基金(EDF)

130億ユーロの欧州防衛基金(EDF)では、41億ユーロの資金を用意して、特に助成金を通じて競争力のある共同研究プロジェクトを直接資金支援する。研究段階を越えたところでは、プロトタイプ開発とその後の認証や試験の要件のための費用を共同で調達することで、89億ユーロを加盟国の投資の補完に利用することができる。

EDFの主な機能は次のとおり。
・共通の安全保障・防衛政策や他のNATOなどの地域および国際機関の枠組みの中で、EUの安全確保に資するプロジェクトおよび加盟国により合意された優先課題に対応するプロジェクトへの資金支援を行う。
・少なくとも加盟3か国から3名以上が参加する共同プロジェクトのみが対象となる。
・EUは、加盟国が最終製品の購入を確約している一般的なプロトタイプを開発する場合にのみ共同資金を提供する。
・中小企業および中堅企業の国境を越えた参加には、強いインセンティブが与えられる。
・ブレークスルー・イノベーションをターゲットとする。

[DW編集局]