[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2018/12/17
抄訳記事公開日:
2019/03/01

社会の中のゲノミクス:欧州の規制状況

Genomics in Society: the European regulatory landscape

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2018年12月17日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州委員会共同研究センター(JRC)の研究者が、欧州加盟諸国ならびにスイス、アイスランドおよびノルウェーでゲノミクス技術に適用されている現行の法規に関する情報をまとめたところ、政策においてゲノミクスに対処する際の断片性と不均質性が浮き彫りになった。

通常の医療にゲノミクス・ベースの技術を応用することで、予防医学の実践が促され、こうすることが一人ひとりに合わせた個別医療を目指す際の必要条件となる。また、このような技術を応用すれば、医療サービスの質と患者の健康の双方を向上させると同時に、医学研究のための豊富なデータを収集することも可能である。

迅速かつ効率的で、低コストのDNA解析技術が誕生したことで、DNA配列の解読によって行われるヒトゲノム研究の能力も飛躍的に発展し、科学研究の数々の分野に大きな影響を及ぼしている。

これらの技術はまた、安価で効率的に各々の遺伝子配列を解明する可能性を人々に提供するというビジネスチャンスの開拓にも貢献している。

ただしこのようなビジネスチャンスに関しては、生成されたデータの機密性は必ずしも保証されるわけではなく、またこうした結果の質を保証するための基準が定められていないため、調査による判明事項の正確性および信頼性もそれぞれ異なる。

このような状況において、欧州の現行の基準の状況を把握し、各々の枠組みの間に不整合性が生じる可能性があるか否かを判断し、最終的な隔たりを明らかにするには、ゲノミクス技術の規制監督に関し、欧州連合加盟国(およびスイス、アイスランド、ノルウェー)において法規レベルで何が定められているのかを包括的に理解することが非常に重要となる。

この意味でJRCの報告書は、ゲノミクスに関連した各国の現行の法規をできるかぎり網羅してマッピングしたものと言える。報告書は、すでに実施されている欧州の政策に対して及ぶ可能性のある影響を分析するための基準として用いたり、政策間の隔たりや最終的な介入を予想するのに用いることもできる。

[JSTパリ事務所]