[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立保健医学研究所(INSERM)
元記事公開日:
2013/06/03
抄訳記事公開日:
2013/06/17

国家研究戦略における全国生命科学・医療研究連盟(AVIESAN)の役割

Contribution d’Aviesan à la Stratégie nationale de recherche

本文:

国立保健医学研究所(INSERM)の2013年6月3日標記報道発表の概要は以下のとおり。

全国生命科学・医療研究連盟(AVIESAN)は4年以上前から生命科学・医療研究の当事者機関全体の連合体を成している。その狙いはシンプルである。新たに法人格を有した補助的な組織をつくるのではなく、さまざまな研究機関間の常時緊密な調整を行うことで、効率性を確保し見通しをよくするということである。またますます競争が激化し、ますます複雑化する国際的環境の中で、研究室の日常を簡素化する努力をしている。

AVIESANの主たる目的は、生命科学・医療に関するフランスの研究界の見通しと対応力を向上させ各現場の政策を調整することで、大学と研究機関との間、さらには地方機関と国の機関の間の相乗効果を高め、科学界を統括的に活性化することにある。AVIESANの組織は各々複数機関からなるテーマ別の10の研究院に分類されている。

国家研究戦略におけるAVIESANの役割は、国立研究機構(ANR)の2014年プログラム策定に向けて6月中旬までに明らかにされるが、重点課題として次の10項目がある。
1) 知の最前線にある高度基礎研究の維持・発展を図る。
2) 生物の複雑性の理解に不可欠な、特に生物学、物理学、化学、数学、バイオインフォマティクス、人文社会科学を統合した学際研究を推進する。
3) 生物(ゲノムの解読、画像診断、動物モデル、コホート、生物資源センター)から得られる大量データ(ビッグデータ)の共通基盤設備による作成、蓄積、アクセス、活用を実施・促進する。
4) 生物の科学におけるフランスの技術研究の遅れを取り戻し、全国の先端的共通基盤を支援・展開し、新たな診断技術や革新的治療法の開発、それらの経済的活用を推進する。
5) 分野横断的研究、研究者・臨床医・産業パートナー間の協力を増進させる。
6) 疾病の検知とその治療をバイオマーカーとの関連で体系化する個別化医療を推進する。
7) 高齢化に関する社会的課題に対応し、神経変性疾患、精神障害、希少疾患、癌に関する研究を推進する。
8) 健康に対する環境・生活様式の影響を把握する。
9) 感染症の発生を把握、予防、撲滅する。
10) 欧州規模のプロジェクトおよび国際競争環境におけるフランスの地位向上を図る。

[DW編集局+JSTパリ事務所]