[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
議会科学技術評価局(OPECST)
元記事公開日:
2013/06/05
抄訳記事公開日:
2013/06/26

従来型でない炭化水素の探査・開発における水圧破砕工法に替わる技術

Les techniques alternatives à la fracturation hydraulique pour l'exploration et l'exploitation des hydrocarbures non conventionnels

本文:

議会科学技術評価局(OPECST)はこのほど標記中間報告書を公表した。概要は以下のとおり。

炭化水素の探査・開発に水圧破砕工法の使用を禁じた2011年7月13日法を受けて、「ガロア報告」(2012年秋、総合投資局ルイ・ガロア氏から首相に提出された産業競争力に関する報告書)では競争力振興の目的で、従来型でない炭化水素に関する研究を加速するよう強く求めている。さらにオランド大統領は2012年11月13日の記者会見において、この研究が水圧破砕工法以外の技術に関するものになることを示唆している。ほぼ同じころ上院経済問題委員会はOPECSTに対して「シェールガスの探査・開発における水圧破砕工法に替わる技術に関する調査」を付託した。

フランスの潜在資源の2大要素を構成する源岩からの石油やオイルからのガスなど調査の領域を広く取る目的で、OPECSTは「シェールガス」という用語を「非従来型炭化水素」に置き換えることにした。作業計画では今年秋に予定されている最終報告に先立って今回の中間報告の発表を準備した。今年1月以降公聴会や視察を多数実施している。

問題の理解に正確を期すべく科学委員会が構成された。本委員会の委員は、多様な科学技術分野から非従来型炭化水素に関する議論に当事者として直接的利害を持たない代表が選ばれた。委員らはOPECSTが主催した報道機関向け公開討論に「討論者」として参加している。彼らはまた報告書の主要な結論に関する議論にも招聘されているが、その役割は諮問的で、結論によって科学委員会委員が拘束されるわけではない。

今回の中間報告では非従来型炭化水素の探査・開発の技術方式を扱っており、最終報告には盛られる予定の関連する経済的課題は扱っていないが、そのような課題の基本的特性には触れている。安全な供給確保、エネルギー依存度の縮減、経済成長の促進に関するものである。化石エネルギーは、長期的には減少に向かうとしても、今後数十年はそれなしで済ませることはできない。したがって地下資源開発の可能性調査が必要である。

[環境に配慮した非従来型資源の開発は可能か]

本報告書では環境に配慮した非従来型資源の開発方式を探っている。オイルからのガスの開発は水圧破砕工法の使用を必要としないので、源岩からの石油やガスの開発と同じ問題があるわけではない。「非従来型」という表現は炭化水素の性質を示すものではなく、その抽出方式を示すものである。これに対して技術の進歩や環境に対する無害性を保証する使用の枠組みが要求される。フランスはこれらを実現する能力を備えている。このテーマに関する研究を促進し適切な規制枠組みを実施するという条件が整えば、環境に配慮した非従来型炭化水素の探査・開発は可能である。短期的にもっとも有望な方法は水圧破砕工法に改良を加える方法であるが、他の技術も試行の価値がある。

[DW編集局+JSTパリ事務所]