[本文]

国名:
米国
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2013/05/31
抄訳記事公開日:
2013/08/01
元記事の言語:
英語

NSTCレポート:STEM5か年戦略計画

FEDERAL SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS (STEM) EDUCATION 5-YEAR STR ATEGIC PLAN

本文:

NSTCは5月31日、STEM(科学・技術・工学・数学)教育に関する5か年戦略計画を発表した。本計画は、関連する12省庁からなるNSTC・STEM教育委員会(CoSTEM)が作成した。以下はその要旨である。

STEM分野における進展は、国家の繁栄と成長に不可欠である。アメリカが国際社会の中で卓越した地位を維持するためにも、STEM教育は重要な意味を持つが、現在の教育システムでは十分な数のSTEM卒業生が関連分野に就職していない。また、STEMの重要性が十分社会に浸透されているとは言えず、今後はより一層多くの学生がSTEM学習に力を入れるような土台を築く必要がある。

STEM教育への投資は、以下の理由により、国家と未来の経済のために重要である:

 将来の雇用はSTEM関連:STEM関連の専門職の需要数が供給数を上回るペースで増えている。また、STEM以外の職種において、STEM関連の能力を必要とするケースが増えている。大統領科学技術諮問会議(PCAST)の最近のレポートは、今後10年間において、国家として必要なSTEM卒業生が100万人不足すると予想している。
 K12(幼稚園~高校)教育システムは、国際比較で中位:OECD加盟33か国における生徒の学習到達度調査(Programme for International Student Assessment:PISA、生徒の読解力・数学知識・科学知識・問題解決能力を調べる)によると、アメリカよりも科学知識が優れている国が12か国、数学が優れている国が17か国あった。
 より包括的な社会形成にSTEMは不可欠:STEMの普及率を調査すると、女性やマイノリティの機会が不足していることが明らかである。STEM関連の仕事を得るにはSTEM教育(学位)が必要であるにも関わらず、ラテン・ヒスパニック系の2.2%、アフリカ系アメリカンの2.7%、ネイティブアメリカン(アラスカ系を含む)の3.3%しか自然科学や工学系の学位を24歳までに取得していない。大学生の多くが女性であり、労働人口の46%は女性が占めているのに対して、コンピューターサイエンスや工学系の学士を持つのは2割以下で、STEM関連の仕事に就いているのは25%に過ぎない。

STEM教育への連邦政府投資の戦略計画

既に多く政府機関がそれぞれのミッションや必要性、リソースに合わせてSTEM教育に優先順位をつけている。これらを統合し、国家としての優先度を明確にするため、オバマ政権はSTEM教育戦略計画を作成した。
CoSTEM参加機関を通じ、政権は今後5年間、一貫性のあるまとまった予算をSTEM教育に配分する。戦略計画ではSTEM教育の重要性を指摘し、社会に浸透させる意義や現在のSTEM教育の現状などをまとめた。
同計画ではSTEM教育の中でも特に優先度の高い5分野に対して、今後5年間で何をするべきかを明らかにしている。各機関が効果的な予算配分をできるように、お互いに協力できる土台を築いていく。また、短・中・長期目的と戦略を掲げ、目標達成へのロードマップを提示する。全体として本計画は、(1) 国家にとっての成果と、連邦政府機関の貢献方法、(2)各機関が主体的に進めるべき分野とその結果生じる説明責任、(3)エビデンスの構築と共有のための手法、(4)断片化を防ぐためのアプローチ、に焦点を当てている。

5つの国家目標

 STEM教育の改善:2020年までに優れたK-12STEM教師を10万人増員し、既存のSTEM教員人口をサポートする
 STEM学習の支援:高校卒業前にSTEM教育を経験している青年が50%増加するような支援を行う
 学部生のSTEM経験を増加させる:今後10年間にわたりSTEMの学位を取得する卒業生を100万人増加させる
 STEM分野におけるマイノリティの待遇向上:今後10年間にわたり、マイノリティがSTEM分野で学士号を取得できるよう支援し、女性の参加を促す
 卒業後のSTEM職業訓練:学部でSTEMを学んだ学生に対し、就職に必要となる特殊技術や知識、研究手法など職業訓練の機会を提供する

STEM教育の調整アプローチ

この戦略計画が成功するためには、STEM教育にかける政府の投資を効率的に連携させる必要がある。当初必要なきっかけを生み出し、その後は既存の取り組みを関連付け拡大することで、新たなシナジー効果が発生することが期待される。連邦政府を通じて連携し、一貫した予算の活用ができるように、各政府機関は主に2つの調整アプローチに焦点を当てる。

 既存の資産や専門知識を最大限活かすため、各省庁間の協力とリーダーシップを促すような新しいモデルを構築する。
 各省庁によって行われているプログラムの内容や効果を分析し、効率的に共有できるようにエビデンスに基づくアプローチを構築し活用する。

STEM教育に対する連邦議会のリーダーシップとコミントメントが、本計画の作成を促し、計画策定に重要な役割を果たした。レポートの本文では、さらに詳しくSTEM教育の優先課題やSTEM教育調整アプローチについて記述され、これらの戦略目標を達成するためのロードマップがまとめられている。

[DW編集局]