[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2013/06/14
抄訳記事公開日:
2013/08/01

バイオサーベイランスに関する科学技術ロードマップ

NATIONAL BIOSURVEILLANCE SCIENCE AND TECHNOLOGY ROADMAP

本文:

 国家科学技術会議(NSTC)は6月、「バイオサーベイランス科学技術ロードマップ」を発表した。このロードマップは、2012年7月に発行された「バイオサーベイランス国家戦略」に基づき、研究開発ニーズを特定し優先順位付けをしたもの。NSTC国土・国家安全保障委員会に置かれた生体防衛研究開発小委員会(BDRD)下のバイオサーベイランス科学技術作業部会(BST WG)が作成した。
 「国家戦略」では、連邦政府から地方行政機関、民間企業、非政府組織等に対して、バイオサーベイランスを強化するように呼びかけると共に、十分に統合された国家バイオサーベイランス事業があれば、よりよい意思決定のために必要な情報を提供することで人命救助に繋がると述べられている。
 BST WGは4つのサブ・ワーキンググループから成り立っており、それぞれが相互に関連するテーマを扱っている。それぞれのテーマは、異常探知(aberration detection)、危険予測(risk anticipation)、脅威特定(threat identification)と特性評価、情報共有・統合・分析の4つ。各サブ・ワーキンググループでは以下のテーマを優先的に研究するように提案している。
・ 共同体や生態系のリスク・脅威・健康に関する基準線の設定
・ 生態系、有機体、保菌体、ベクター細胞、ホストネクサスレベルでの異常原因の特定
・ 発生原因に関連するインジケーターの特定とそれらの使用によって効果的な意思決定ができるようなモデルの構築
・ バイオサーベイランスに関する状況認識(situational awareness)を高めるための情報統合・分析・プラットフォーム共有の促進
・ 健康に関する意思決定に必要な情報を用意するため、個人情報を保護しつつ、電子データによる健康情報を統合・分析する技術の開発
・ ソーシャルメディアなど、バイオサーベイランスに関する新たな情報源の有用性の特定と評価
・ 早期発見と状況認識のため、特に診断段階で正確かつ適切な情報収集を可能にするような暴露評価や診断能力の改善
・ 既知及び未知の健康脅威の特定と特性評価の改善
 ロードマップは、これらの優先的研究開発目標を達成し、統合されたバイオサーベイランス事業を進めるには、連邦政府の各機関と学界、産業界、国際社会間の調整が必要とされると指摘している。

[DW編集局]