[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
元記事公開日:
2013/05/03
抄訳記事公開日:
2013/08/05

重大疾病との闘いに向け、医療研究センターに官民から3000万ポンドを投資

£30 million investment in health research centre to tackle major diseases

本文:

5月3日、デービッド・キャメロン首相より、オックスフォード大学に新設の最先端研究拠点に官民合計3000万ポンドの投資が決定した旨の発表があった。以下はその概要。

この新Big Data Institute(ビッグデータ研究所)は、癌、糖尿病、脳卒中、高血圧からマラリアやインフルエンザ等の病原菌・感染症まで、疾病の発見・監視・治療・予防に向け大量の医療データの保存・分析を行う。投資内訳は、英国研究パートナーシップ投資ファンド(UK RPIF)第2期助成から1000万ポンド、香港のLi Ka Shing財団の寄付金から2000万ポンド。

今回の投資は、Li Ka Shing医療情報・発見センターの総額9000万ポンドに上る投資の第2期。ハイテク・コンピュータ利用医療研究で世界をリードする狙い。第1期のTarget Discovery Institute(ターゲット・ディスカバリー研究所)は、UK RPIF第1期から1000万ポンドの助成を受け、高生産性生物学を利用し、産業界と共同で薬剤標的技術の向上を狙う。

デービッド・ウィレッツ大学・科学担当大臣の談話:
「新センターにより、医療研究・ライフサイエンスにおける英国の地位を強化する。医療データを活用する結果、疾病の新理解や画期的オーダーメード医薬品・技術の開発が可能になり、経済成長や患者に利する。このプロジェクトから、公衆衛生のような地球規模課題への取組みに慈善団体・企業が国内大学との協力を希望している事実がわかる。癌・難病患者のDNAマッピングに政府は1億ポンドを拠出したが、さらに本プロジェクトで英国の国際競争優位維持を狙う。」

デジタル技術は多様な分野で生活を一変させたが、医学への応用は始まったばかり。新センターが中心となり、疾病理解、患者治療、疾病流行の監視、医療制度の管理の転換を促進し、官民両部門での研究推進の機会を創出する。

経済成長につながる新知識開発を目標とするUK RPIFが出資するプロジェクトとしては15件目。これまで民間資金6億3500万ポンドが大学に投資されている。UK RPIFは、イングランド高等教育資金会議(HEFCE)の管轄。2012年5月に1億ドルを最初に拠出し、その際に応募案件の質が高かったため、同年秋には公的資金助成を3億ポンドに増額した。プロジェクトは、政府助成の2倍以上の民間資金(企業または慈善団体)の確保が条件。総投資額は10億ポンド強となった。

[DW編集局]