[本文]
-
- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2013/06/05
- 抄訳記事公開日:
- 2013/08/09
-
海洋保護に関する地球気候変動科学評議会(WBGU)の提言を連邦政府が支持
Bundesregierung unterstützt WBGU-Forderung nach besonderem Schutz der Meere
- 本文:
-
このほど地球気候変動科学評議会(WBGU)が海洋保護に関する提言を行ったが、その内容やそれに関する連邦政府の姿勢について、6月5日、連邦教育研究省(BMBF)が報道発表を行った。以下はその概要。
連邦政府としてはWBGUの海洋保護に関する提言を支持する。今年度の報告書「変化する世界‐人類遺産海洋」により、科学者たちは沿岸海域を除く全ての海洋域を人類の共通遺産とすることを提案している。海洋の保護および持続的利用に関する責任については、新しい組織がこれを担うことになる。同報告書はライヒェ連邦環境省政務次官およびラッヘル連邦研究省政務次官に提示された。
両政務次官は、海洋に対する持続的利用への動きを支持するコメントを発表。ライヒェ次官は「海洋は人類にとって計り知れない宝である。その生物多様性や気候に関する機能は我々の生命に不可欠である」と強調し、同時に「海洋保護に関する国際的基本条件を先鋭化し、より一貫してそれを実施することを確実にしていかなければならない。極地は影響を受けやすいものであり、資源確保競争の対象だけであってはならず、拘束力のある国際法による保護規則が必要である」と要請した。
ラッヘル政務次官はこれに関して「ドイツの海洋研究は良好な状態にあり、国際的に大きく認められており、我が国の専門知識は世界的な評価を受けている。複雑なシステムである地球と海の果たす役割をより良く理解するためには、傑出した高度の科学者のみならず、高性能のインフラも必要である。このため我々は正にドイツ研究艦隊を近代化しているのである」と発言。
同報告者の中でWBGUは、人間に起因する海水面や水温の上昇及び酸性化の増大を想起させ、同時に海洋では漁獲量が過大となり、最後の資源の最大源として搾取されつつあるとしている。
昨年リオの地球サミットでは、海洋保護に関する拘束力のある取り決めができずに終わった。そのため科学者の考えとしては、沿岸海域を除く全ての海洋域を、今日既に海底について行われているように、人類の共通遺産して保護すべきである、としている。WBGUは、漁業やエネルギー等の分野での海洋利用について課題と機会を明確にしている。そして今後必要な行動について具体的な提案をおこない、海洋研究がより強力に持続可能となるよう特に求めている。また世界人口増に向かう中での食糧の面や、気候調整機能のためのエネルギーの面での海洋の重要性に鑑み、WBGUは国連海洋法協定の総合的改正を求めている。
連邦政府の地球気候変動科学評議会(WBGU)は、1992年国連環境開発会議に備えてドイツ連邦政府が中立の科学的な諮問機関として設けたもので、連邦教育研究省(BMBF)及び連邦環境・自然保護・原子力安全省(BMU)の共同所管。
以下のサイトより同報告書のダウンロードが可能(ドイツ語):www.wbgu.de
[DW編集局]