[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
元記事公開日:
2013/05/23
抄訳記事公開日:
2013/06/28

危険物を探し回る高感度爆弾探知機

Sensitive bomb detector to rove in search of danger

本文:

欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2013年5月23日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州の研究者らは、最大20メートル離れた場所からごく微量の爆発物を検出する能力を備えた軽量の装置を開発し、試験に取り組んでいる。これにより治安当局は、爆弾による攻撃との戦いで、非常に有益な道具を手にすることになる。

EUが資金援助するOPTIX(爆発物特定光学技術(Optical Technologies for the Identification of Explosives))のチームは、小型の遠隔操作車両に搭載でき、1mg未満の爆発物の検出が可能な先端光学技術を用いている。複数の報告書によると、これほどまでの感度を実現した研究機関や企業は他にないという。

社会が繁栄するためには安全が必要である。マドリッド(2004年)、ロンドン(2005年)やボストン(2013年)での惨事で嫌というほど浮き彫りになったように、テロは欧州、そして世界にとって現実的な脅威である。即席爆発装置(IED)を用いた攻撃は頻繁にニュースで取り上げられ、テロ攻撃の60%超にこのような爆発物が使用されている。

レーザーにより爆発物の原子・分子の構造を正確に特定することができるようになったため、OPTIXが採用している装置は、車両、手荷物や遮光性容器など、視野に入ったあらゆる物体を離れた場所から迅速にスキャンし、微量残留物を検出することができる。爆発物を扱ったり運搬したりする際には、ほぼ必ず痕跡が残る。すなわち、爆発物を扱った人物の手やこのような人物が触れた物だけでなく、運搬具の表面にも残留物が付着しているのである。

EUから240万ユーロの資金援助を受けているOPTIXコンソーシアムは、欧州市民の安全と生活の質の向上を目的として欧州委員会が支援している数々のセキュリティ・プロジェクトの1つである。2013年末までに、EUが資金提供を行うさまざまなプログラムが、45カ国から1,500人以上が参加する250件を超えるセキュリティ研究プロジェクトを助成することになる。セキュリティ関連の研究に対する財政的支援は、様々なテーマを対象にしてほどなく開始される、EUの多年度研究プログラム「ホライズン2020」(2014~2020年)の下で今後も引き続き行われる予定である。

[JSTパリ事務所]