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- 国・地域名:
- スイス
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- スイス国立科学財団(SNSF)
- 元記事公開日:
- 2013/06/25
- 抄訳記事公開日:
- 2013/07/31
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若手研究者に対する支援助成金と昇給
- 本文:
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スイス国立科学財団(SNSF)の2013年6月25日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===スイス国立科学財団(SNSF)の2013~2016年行動計画(Action Plan 2013-2016)は、十分な数の若手研究者がスイスで顕著な業績を上げられるような対策に重点を置くとしている。この計画に従い、SNSFは2013年6月、「120%の支援助成金(120% support grant)」を導入するとともに、2014年以降、博士課程の学生の給与を上げようとしている。
2012年、SNSFは若手科学者の環境改善を目的としたさまざまな方策を整備し、現在、いつでも実施できる状態にある。
SNSFは2013年6月1日時点のポスドク研究者を対象に「120%の支援助成金」を導入した。この助成金の利用により勤務時間の削減が可能になるため、研究者は、研究者としてのキャリアと家庭生活を両立することができるようになる。こうして生まれた勤務から解放される時間とSNSFからの20%の追加助成金を利用して、研究者は自分のプロジェクトに従事してもらう「支援要員(support person)」を雇うことができる。その代わりに、研究者は保育料に助成金を充当することもできる。さらにこれら2つのオプションを組み合わせることもできる。この新たな助成金によりSNSFは、ポスドクが家庭の事情を理由に、研究者としてのキャリアで大きく遅れをとることのないようにすることを目指している。
またSNSFは、2014年以降の給与政策を修正することにした。新たな特徴としては、被雇用者の区分を3つ(ポスドク、博士課程の学生、その他)にし、体系が簡素化されることや、SNSFから給与の支払いを受けるポスドク向けに設けられる新たな取り決めなどがある。具体的には、研究機関ごとの給与(institution-related rates)の代わりに、8万スイスフランから10万5,000スイスフランまでの給与区分が若手研究者に適用され、最低給与については5年未満の移行期間が設けられる。さらに、SNSFは2014年1月1日時点で博士課程に在籍する学生の給与を約7%アップし、博士論文に取り組む際には、最低でも正規職員の60%の給与を支給するという「保護時間(protected time)」を保証しようとしている。新しい規則は、2013年10月1日の提出期限をもって初めて適用される予定である。
[JSTパリ事務所]