[本文]

国名:
米国
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2013/07/23
抄訳記事公開日:
2013/09/01
元記事の言語:
英語

NSF助成による科学エンジニアリング研究の増進

NSF Grants Enhance Science and Engineering Research Capacity Across the Nation

本文:

国立科学財団(NSF)は7月23日、インフラ研究を進めるため4つのプロジェクトへの助成を発表した。各研究は、地域の関係機関のコンソーシアムが実施し、3年間にわたり600万ドルの支援を受ける。これらの研究はNSFの競争的研究活性化実験プログラム(Experimental Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)の一部であるインフラ改善研究(Research Infrastructure Improvement: RII)Track-2 awardsとして実施される。
RII Track-2 awardsは10の州にわたる様々な研究機関から研究員を募り、海岸の活用、水資源の持続可能かつ効率的利用、再生可能エネルギー関連の研究開発を進めるもので、選ばれた4つのプロジェクト並びに主要研究機関は下記の通り。

New England SusTainability Consortium (NEST)
Michael Eckardt(メイン大学)、Jan A. Nisbet(ニューハンプシャー大学)
NESTは最先端の理論と手法を活用し、沿岸部における病原性バクテリアによる貝の養殖場の閉鎖に関連する問題の解決に取り組む。
沿岸部における保養価値が全国で200億ドル、メイン州とニューハンプシャー州で4億ドルと予測されるなか、沿岸部の閉鎖はサステナビリティーの観点ならびに経済・社会・環境的側面における問題の象徴とされる。長期的なトレンドとして、沿岸汚染の進行が予測される中、当該研究は科学と政策決定において効果的なモデルづくりと選択肢の提供に貢献する。
NESTはニューイングランド地域の大学および単科大学を動員し、科学と政策立案の関係性を強化させる。メイン州とニューハンプシャー州を筆頭に、メイン湾を主な調査地域とし、自然と人間の連動システムの相互作用を研究する。

Western Consortium for Watershed Analysis, Visualization, and Exploration(WC-WAVE)
Gayle Dana(ネバダ高等教育システム)、Peter Goodwin(アイダホ大学)、William Michener (ニューメキシコ大学)
高地における水資源が受ける影響、特に雪、地表水と地下水の関係、植生との相互作用のメカニズムに関する研究は十分に行われていない。そこで、アイダホ州、ネバダ州、ニューメキシコ州は、WC-WAVEを立ち上げ、サイバーインフラ(CI)を用いた分水地点科学、労働力開発、および教育の促進を目指す。
高地における貯水量、流水量、水質などは気候変動の影響を受けて変化し、降水量、植生成長、火災、土壌の保水量、水分流出などの相互作用は、かすかな変化も大きな環境・経済インパクトを引き起こす可能性がある。WC-WAVE CIは、研究者たちが地域社会に対してエコシステムのサービスや水資源の活用を検討するために必要なモデルを構築するプロセスを支援する。

Dakota Bioprocessing Consortium (DakotaBioCon)
James Rice(サウスダコタ州立大学)、Philip Boudjouk(ノースダコタ州立大学)
DakotaBioConは、ノースダコタ州とサウスダコタ州から研究者を募り、バイオマス処理に基づく持続可能な資源開発の研究を進める。当該研究により再生可能な資源を生物的に処理することで新しい燃料を開発し、海外への石油依存度を減らし、国内雇用を増やすことが期待される。
DakotaBioConは先端的研究を進め、地域や国家、国際社会が生物資源経済へ移行するための牽引役を目指しており、再生可能な資源から、付加価値の高い科学物質や素材を抽出できるようなバイオ処理の研究を進める。石油由来の輸入された素材を代替するため、費用対効果の高い作物由来の素材を生産できないか研究を進める。

バーモント州、デラウェア州、ロードアイランド州
Judith Van Houten(バーモント大学)、Daniel Leathers(デラウェア大学)、Jennifer Specker (ロードアイランド大学)
バーモント州、デラウェア州、ロードアイランド州の三州にまたがる共同研究では、環境科学とマネジメントにおける二つの課題に挑戦する。土地利用、水質、水界生態系における複雑な相互関係と、ここから学びえた知見を政策立案者や資源管理者の意思決定に反映させる方法を研究する。当該調査では、各州の主要地域にセンサーを設置し、そこで回収されたデータを活用する。分水地点における炭素量や窒素量の推移、特に豪雨や干ばつに影響をおける高水流、低水流時のデータを分析する。これらの異常気象は、今後気候変動が進むにつれ、より頻繁に発生することが危惧されている。
モニタリングの他、研究者は研究所における実験やエージェントベースのモデリングを行い、センサーネットワークで回収されたデータを関係者がどのように活用するかを分析する。包括的な目標としては、政策立案者が環境データの経済分析実験結果を環境カバナンスに結び付け、水質資源の質と量を改善するように市場メカニズムをデザインするところにある。

[DW編集局]