[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2013/08/06
抄訳記事公開日:
2013/09/01

エネルギー省報告書:米国風力発電、生産とも過去最高に

Energy Dept. Reports: U.S. Wind Energy Production and Manufacturing Reaches Record Highs

本文:

エネルギー省(DOE)は8月6日、米国における風力発電の設置に関する報告書を二つ発表した。これらの報告書によると、風力発電はアメリカでもっとも成長している電力源であり、新規発電設備のうち43%、250億ドルの投資を占めている。オバマ政権発足以来、風力及び太陽光による発電量は倍増した。オバマ大統領の「気候変動へのアクションプラン」では、温室効果ガス削減と新技術開発のため、再生可能風力エネルギーを、米国内で活用できる資源はすべて活用するという「包括的エネルギー戦略(all-of-the-above energy strategy)」の最優先事項にすると明記している。同政権は2020年までに再生可能エネルギーによる発電量を今の倍にすることを目指している。なお、急激な風力発電業界の成長により、製造工場や発電所、風量発電設置現場などの多分野で約8万人分の雇用が生まれた。

報告書(1)DOE、ローレンス・バークレー国立研究所 「2012年度風力発電技術市場報告書」
同報告書によると、昨年、全米の電力グリッドに対して13ギガワット(GW)の風力発電設備が導入された。これは2011年の約2倍の量に該当する。この急成長により、2012年末には風力発電による発電量が60GWを超え、カリフォルニア州とワシントン州の全家庭約1500万世帯に電力を供給できる量の発電ができることになった。2000年から比較すると22倍の量となる。同時に、風力発電関連備品の国内製造も増加している。昨年設置された風力発電の72%は国内産で、2006-2007年の25%に比べて約3倍となった。報告書によれば、9州が消費電力の12%を、アイオワ、サウス・ダコタ、カンザスでは20%を風力発電に依存している。テキサスでは昨年1800メガワット(MW)の風力発電設備が導入され、2012年末には累積設置発電設備が12GWとなり、累積発電量は全米一位、二位のカリフォルニアの倍となっている。

報告書(2)DOE、パシフィック・ノースウェスト国立研究所 「2012年度分散型アプリケーションにおける風力技術に関する市場報告書」
既存の中央集中型発電設備と比べて、分散型風力発電は需要のある地域の近隣で発電するため、効率がよく信頼できる電力源となる。設備の規模は数百ワットからメガワット級までにわたり、個人宅から学校、農場、工場設備まで、多岐にわたり電力を供給している。上記報告書によると2012年末までに、全米では累積812MW、50州に69,000台の風力発電設備が導入されているとのこと。2011年から2012年の間だけでも175MW、約80%の設置増加となった。アイオワ、マサチューセッツ、カリフォルニア、そしてウィスコンシンで特に設置が進んでいる。多くのバイヤーは小型の風力発電機を好む傾向にあたり、その規模は100KW程度である。昨年、風量発電機の国内販売の90%を小型発電機が占め、10台中9台はアメリカ産だった。2012年の成長はクリーンエネルギーを支援する政策や減税措置によるものであり、2013年は新規設備の設置は鈍化すると予想されている。レポートでは2014年には再び設置が進むものの、2015年以降は不確定であるとしている。

[DW編集局]