[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ノルトライン=ヴェストファーレン州 イノべーション・科学・研究・技術省
元記事公開日:
2013/07/26
抄訳記事公開日:
2013/09/04

産業拠点ノルトライン・ヴェストファーレン州は、バイオエコノミーにおいて主導的位置づけを目指す

Industriestandort Nordrhein-Westfalen strebt Spitzenposition bei Bioökonomie an

本文:

ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州イノベーション科学研究省はバイオエコノミーにおいて主導的位置づけを目指すとして、以下の通りの報道発表を行った。

産業州であるNRWは欧州の主導的なバイオエコノミー拠点となる所存であり、この大胆な目標を達成するため、ドイツ連邦政府は共同のバイオエコノミー戦略に関してこれを了承した。その際に中心となるポイントは、省庁間を総合した関連措置の調整とネットワーク化、解決策の展開にあたる人文・社会科学の集中的な取り込み、更には特にバイオエコノミーに関する「優れたスタンダード」の開発である。NRWのシュルツェ科学大臣は「遺伝子組み換え植物の栽培・発売・利用は、州の助成策にとって絶対的なタブーである」と語った。

州政府は、バイオエコノミーとは生物学的資源の持続的利用の下、特に石油をベースとする社会から植物燃料をベースとする社会への転換のための新製品や新サービスの開発だと理解している。バイオエコノミーは、ほぼ全ての産業および経済のセクターやそれに属するサービスに関連し得るものである。

NRW科学省の委託によって行われた調査は、同州が欧州最大のエネルギー、医薬品、化学拠点の一つとしてバイオエコノミーに関する大きなポテンシャルを有しているとしている。NRWは十分な植物燃料資源やバイオエコノミーにとって重要な領域における強力な科学的基盤を備えている。この調査をベースに、NRWにおけるバイオエコノミーの可能性に関する対話指向の投資プロセスが設計され、2012年に実施された。

NRWはこれに際して、生産や産業のみを考慮したバイオエコノミーという概念を健康セクターへと拡大した欧州で最初の地域である。このEUと連邦政府のものに比べ、より拡大されたバイオエコノミーの概念はOECDの定義と一致するものである。なおEU委員会は欧州各地域に対して明確に、バイオエコノミーの戦略を立てるよう要請した。同時にバイオエコノミーはEU委員会によれば将来の助成措置の重要なテーマ分野である。

NRWにおいて研究されている重点テーマは以下の3つ:
・バイオポリマー/機能化表面及び材料:例えばミュンスター大学では、ゴム生産にタンポポを利用する可能性を研究。これまではポリマー化学において特に化石原料が使用されていた。
・バイオ燃料:フラウンホーファーのオーバーハウゼン研究所は、植物や食品の残りを利用する可能性を研究。ユーリッヒ研究センターは灯油の生産への藻の利用を研究。
・バイオ医薬品:診断及び医療技術。ドイツでは既に全医薬品市場の17%が、バイオ医薬品の売り上げによるものである。NRWにおいては、例えば癌疾患に対する革新的な細胞セラピーに取り組んでいる。

バイオエコノミーの科学的基盤は、既に学際的にBioSC (Bioeconomy Science Center)に結束されており、今後10年間プロジェクト関連で約5,800万ユーロをもって振興されることになっている。

[DW編集局]