[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
国家自然科学基金委員会(NSFC)
元記事公開日:
2013/09/10
抄訳記事公開日:
2013/09/30

楊衛NSFC主任、中国の基礎研究はモデルチェンジの重要なステージを迎えてきた

我国基础研究正处于重要转型期

本文:

2013年9月10日付の「国家自然科学基金委員会(NSFC)」ウェブサイトは、「人民日報」に掲載された「我が国の基礎研究は重要なモデル転換期にある」と題した楊衛NSFC主任の投稿文を転載した。本記事ではその概要をまとめる。

・今後の一定の期間内に、中国は多くの科学技術分野において、従来の「先進国を追跡する」モデルから「先進国と並んで発展する」モデルとなる転換期を迎え、科学技術発展の基礎研究に対する依存度も集中的に高まる。

・中国の基礎研究も追跡型から並行発展型へ転換しつつある。R&D予算と科学論文投稿数がいずれも世界2位に上がったこと、「量子の異常ホール効果」の発見を代表とする優れた研究成果の輩出等の実績が挙げられる一方、フロンティア分野の創造的成果が少なく、リーダー型人材が不足し、研究分野の設定のバランスが整わない等の課題が存在する。

・中国の基礎研究を推進するに当って、①中国国内で基礎研究支援の主役であるNSFC等により、支援制度の整備等を通じて、中国の基礎研究の発展を促進する、②基礎研究への経費投入をより強化する、③研究分野の全面的かつ統一的配置を行い、研究分野の均衡調整と統合発展、人材の育成、技術イノベーションにつながるブレークスルーの創出、対外開放・協力の拡大を推進する、④創造性重視の評価制度、研究者を研究に専念させる安定した支援を含むイノベーション創出に資する環境をつくること等が重要である。

*近年中国で急速に成長しているR&D経費のうち、基礎研究費の比率は5%未満であり、先進国の10~20%より遥かに下回るとの指摘が有る。

[JST北京事務所]