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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2013/09/27
- 抄訳記事公開日:
- 2013/10/18
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社会を変える基礎研究
- 本文:
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ホワイトハウスは9月中旬、第2回「金のガチョウ賞(Golden Goose Awards)」を発表し、6人の研究者を表彰した。同賞は連邦政府から支援を受けた基礎研究のうち、最初はその帰趨が不明瞭だったにも拘わらず、のちに国民の健康や国家安全、経済成長など社会に対して大きな貢献をもたらしたものに与えられる。受賞対象者は全米の科学研究機関から構成された委員会で選ばれ、連邦政府からの資金がどこまで有効に使われるかの証明となっている。
数学者のDavid Gale氏とand Lloyd Shapley氏、そして経済学者のAlvin Roth氏の3名は、今では一般的となった「マッチング」システムを開発したことで受賞した。二人の数学者は、アメリカ海軍研究所(Office of Naval Research; ONR)と国立科学財団(NSF)から支援を受け、Gale-Shapley Deferred Choice Algorithmを生み出した。これらは最初、結婚を安定させるための男女間マッチングに用いられたが、次第に活用の場を広げ、中にはNational Resident Matching Programを用いて米国中の医者と病院をマッチングさせるサービスも始まった。その後、NSFからの資金を受け、Roth氏は腎臓提供者と移植が必要な患者間のマッチングサービスを編み出した。Shapley氏とRoth氏は2012年、ノーベル経済学賞を受賞している。
また、Thomas Brock博士とHudson Freeze博士はNSFからの資金を受け、バイオテクノロジーの分野で革新的な発見をした。DNAの再生と研究を繰り返し、遺伝学検査などの医療診断といった「遺伝革命(genomics revolution)」への道を拓いた。彼らの研究なしでは実現しなかったバイオテクノロジーにより、標的療法といった個人に合わせた治療などが生み出された。
そして最後に、John Eng博士はアメリカドクトカゲ(Gila Monster)の毒を用いて糖尿病による腎臓障害や失明と言った合併症を治療する新しい手法を生み出した。Eng博士は退役軍人省(Department of Veterans Affairs; VA)からの助成を受けて研究をしてきた。
[DW編集局]