[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
元記事公開日:
2013/09/03
抄訳記事公開日:
2013/09/20

藻類を燃料に

Turning algae into fuel

本文:

欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2013年9月3日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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青緑色でぬめりがあり、世界中の海や淡水に生息する微細藻類。その存在は、これまではさほど興味を誘うようなものではなかった。だがこうした認識が変わろうとしている。微細藻類を利用すれば、バイオ燃料としてのバイオエタノールを1リットルあたり0.40ユーロ未満で生産できることを実証するというミッションに、欧州の研究者のチームが取り組んでいるのである。

EUが資金供与するプロジェクト「DEMA(「Direct Ethanol from MicroAlgae(微細藻類から直接エタノールを生産)」)」が注目しているのは、海洋や湖、湿地、岩地など、ほぼすべての陸地や水中を生息地とする微細藻類のシアノバクテリア(藍色細菌)である。シアノバクテリアは、光合成からエネルギーを得ている。

まず、微細藻類に代謝工学を利用してエタノールを生産する能力を導入する。つまり、細胞内で起こる化学反応に手を加え、バイオエタノールを効率的に生産できるようにするのである。その次に藻類から分泌されたバイオエタノールは、膜を介して媒体から抽出されるという2段階の取り組みによって、研究チームはバイオ燃料の生産を拡大しようと努力している。

本プロジェクトには、EU加盟6か国の学術界と産業界から九つのパートナーが参加している。アイルランドのリムリック大学がコーディネート役を務めており、第7次研究フレームワーク計画(FP7)の「エネルギー」のテーマに基づいてEUから約500万ユーロの資金が提供されている。プロジェクトの作業は2012年12月にスタートしており、2017年5月の終了を予定している。

[JSTパリ事務所]