[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー・気候変動省(DECC)
元記事公開日:
2013/09/09
抄訳記事公開日:
2013/09/25

シェール・ガス開発は、英国の気候変動への取り組みに影響なし

Davey: UK shale gas development will not be at expense of climate change targets

本文:

エネルギー・気候変動省(DECC)の2013年9月9日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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エドワード・デイヴィ大臣は、英国の気候変動目標に沿った安全で信頼できるシェール・ガスの開発について述べた。王立協会でのスピーチの中で大臣は、経済的に実行可能でかつ環境に配慮した方法でシェール・ガスを開発することができれば、英国にとってもプラスになる、つまり、エネルギー安全保障が約束され、より多くの職が生み出され、税収が得られることになる、と語った。

デイヴィ大臣の発言は、英国で生産されるシェール・ガスのカーボン・フットプリント(二酸化炭素排出量)は石炭よりもはるかに少なく、輸入される液化天然ガス(LNG)のそれを下回ると推定する最新の報告書の内容を受けたものである。

適切な安全装置を整備することができれば、英国におけるシェール・ガスの生産が温室効果ガス排出量に及ぼす実際の影響は少ない、と報告書は結論づけている。大気に放出される温室効果ガスの累積排出量が増加しないようにするには、世界各地でシェール・ガスを生産する際に、排出量削減に関する世界的な取決めを設けたり、二酸化炭素回収貯留(CCS)技術のような低炭素技術を開発したりするなど、排出量を低減させるための国際的な取り組みを拡大する必要がある。

シェール・ガスは「非在来型」ガスである。その組成は基本的には在来型ガスと同じだが、ガスを採取するには、ガスを含む貯留層を大規模に破砕しなければならない。産業界は、英国において安全かつ経済的に採取できるシェール・ガスの量を調査しているが、これまでのところ、フラッキング(水圧破砕法)によるシェール・ガス資源の開発を許可された企業はない。

利用可能なシェール・ガス資源については、英国地質調査所がイングランド北部のBowland Basinで調査を実施している。調査によれば、ガス資源はかなりの量になりそうだという(中間見積りでは1,300兆立方フィート)。ただし、実際に探査してみないと、どの程度のガスが安全に、技術的に、また経済的に採取可能かは不明である。

[JSTパリ事務所]