[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2013/09/27
抄訳記事公開日:
2013/10/24

IPCC-気候変動に関する報告書を発表

Internationales/IPCC-Bericht - Weltklimarat legt Bericht zum Klimawandel vor

本文:

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が第5次評価報告の第一部を発表。ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は、同報告に関するアルトマイヤー連邦環境大臣やヴァンカBMBF大臣等の発言を紹介、概略以下のような報道発表を行った。

両大臣はIPCCの今回の発表を、気候変動が進行しているまぎれもない証左である、と発言した。アルトマイヤー大臣はストックホルムにおいて報告が発表された後、「IPCCは国際社会に対し、大胆な気候保護策は避けて通れないものであることを明らかにしている」と強調。またヴァンカ大臣は「研究は、気候変動の理解にとってキーとなるものである。IPCC報告は世界的に最も重要な気候研究に関する評価報告書である」と強調。この報告に関わった科学者は多数に及び、ドイツからも40人の研究者が参加している。

国際的な気候研究の結果はまぎれもなく、気候変動が進行していることを証明している。気候システム全体において多様な変動が進んでいる。大気層だけでなく、海水温度も上昇し、氷河の融解、永久凍土の温度上昇、海水面の上昇ももたらしている。かなりの確率をもって、人間に起因する温室効果ガスが、観察された気候変動の大部分に影響していることが明らかである。この地球温暖化を抑制するためには、温室効果ガスの排出を著しく減少させなければならない。

アルトマイヤー大臣は、気候保護に関するより大胆な施策を呼びかけ、「しっかりとした行動により我々は温暖化を2℃抑えることができる。これは国際的気候保護交渉にとって重要な知見である。2015年までに新しい協定の交渉が行われる。EUはその指導的立場を取らなければならない。そのために我々は排出権取引を強化し、EU気候保護目標を厳しいものとし、2030年に向けて野心的な気候保護目標を取り決めなければならない」とし、「エネルギー転換によって我々はエネルギー供給システムを一歩一歩、長期的に転換し始めた。気候保護は脱原子力と並び決定的な推進力となるものである」と語った。

ヴァンカ大臣談「気候変動に関しては、全ての問題が答えられたわけではない。我々は気候研究における熱意を後退させてはならない。研究の振興に対し明確なプライオリティを置くものである」。前回のIPCC報告以降BMBFは、気候研究に4億9,000万ユーロを投入した。ヴァンカ大臣は、新しい報告が、まだ存在する研究の隙間に関してその手がかりを与えてくれていると強調。「我々はこの報告を詳しく評価し、しっかりとした研究助成によって科学界がまだ欠けている答えを出せるような状態にするはどうすればよいかを検討する」と語った。

同報告によると、地表に近い大気における過去15年の地球の温度上昇はそれ以前よりもゆっくりしたものであった。しかしこれをもって地球の気候変動が弱くなっているとは言えない。これは自然の変動に起因する、長期的な温暖化傾向を隠す、短期的変動に過ぎない。また氷河の融解、海水の温度上昇、極地の氷山の融解、その他多くの変化が気候の更なる温暖化を証明している。

[DW編集局]