[本文]

国・地域名:
フィンランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
フィンランド・イノベーション基金(SITRA)
元記事公開日:
2013/09/09
抄訳記事公開日:
2013/09/25

モバイル技術が、疾病の治療方法や予防法に革命をもたらす

Eric Topol: ”Mobile technology will revolutionise how we treat and prevent illnesses”

本文:

フィンランド国立研究開発基金 (Sitra)の2013年9月9日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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「スマートフォンと新技術により病院が不要となり、ヘルスケアは患者と医師の共同作業となり、集団ではなく個別の患者に目を向けた、これまでにない徹底したヘルスケアが可能になるであろう」

れはアメリカを代表する研究者であり、電子ヘルスケアのパイオニアでもあるエリック・トーポリ(Eric Topol)氏の見解である。彼は、フィンランド国立研究開発基金(Sitra)とフィンランド社会保険機構(Kela)が主催した、ヘルシンキのフィンランディア・ホールで開かれた上級レベル会議(9月3日)でこうした考えを披露した。

「大規模なデジタル化が恩恵をもたらし始めたことで、医療はかつてないほどの大革命に直面しようとしている。もはや革命が起こるか否かではなく、それがいつどこで起こるかが問題となっている」、とトーポリは述べている。

トーポリの意見によると、将来的には、現在私たちが必要としているほど多くの病院も医師も要らなくなるという。例えば患者がスマートフォンなどを利用して自らの健康をモニターできるようになれば、医師は、患者にとってのコンサルタントやパートナー、患者のデータの解釈者として機能するようになる。患者は、自分の健康に関する情報を自ら所有し、自分自身のヘルスケアに積極的に関与できるようになる。また患者が、ヘルスケアを日課として行うようにすることで、病院での待ち時間が短縮され、医療従事者が重要な専門知識・技能を必要とされる業務に充当できる時間も増加する。患者の遺伝子に関する情報が増えれば増えるほど、一人ひとりの患者に適したケアが可能になる。

「そして何よりも重要なのは、治療が成功する確率が高まるということだ。例えば、自分で高血圧を監視、手当している患者の方が、従来の医療サービスを受けている患者よりも良い結果が出ていることは、調査でも明らかにされている」、とトーポリは言う。

またトーポリは、スマートフォンの拡張機能を利用することで高価な大型の検査機器を用いずに、自分の血圧測定、血糖値のモニター、耳感染症の診断、睡眠ポリグラフィー検査、ECG(心電図)を記録するため方法をセミナーの受講者に紹介している。

[JSTパリ事務所]