[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省(MESR)
元記事公開日:
2013/09/25
抄訳記事公開日:
2013/11/01

2014年の高等教育・研究予算

Budget 2014 : l'université et la recherche en mouvement

本文:

高等教育・研究省の2013年9月25日標記報道発表によると、同日政府が発表した標記予算案では若年層に対する投資、研究・イノベーションに基づく成長に対する投資が確認できる。7月22日に採択された高等教育・研究に関する基本方針法に盛られた目標と改革を予算で示したものである。以下にまず高等教育・研究予算全体の概要を記し、さらに特に研究に関する予算、「将来への投資」予算の部分を抜粋してその概要を記す。

[2014年高等教育・研究予算全体の概要]
1) 高等教育・研究重点予算
高等教育・研究予算は、学校教育(647.7億ユーロ)、国防(374.8億ユーロ)に次ぐ国家予算の第3位を占め、2年連続の伸びとなった。

・研究・高等教育省際ミッション(MIRES): 260.6億ユーロ
前年比で121.3百万ユーロの増(+0.5%)
・上記の内高等教育・研究省向け: 230.4億ユーロ
前年比で111.8百万ユーロの増(+0.5%)

2) 特別出資金等の追加
・オペレーション・キャンパス
2014年は大学向けに255百万ユーロの出資
・将来への投資(第1次分)
2014年は大学に279百万ユーロ、研究プロジェクトに725百万ユーロ
・将来への投資(新規第2次分)
2014~2020年で125億ユーロ、高等教育・研究が第2次分の筆頭費目、
MIRESに対する53億ユーロ(高等教育・研究省予算に対しては41.2億ユーロ)を含む
投資の開始は2015年から
・高等教育における雇用
2014年の雇用は169,518人
2014年に1000人の雇用創出
2014年には一時雇用職員2200人の正規雇用化
2013~2014年に2000人の雇用創出、3975人の不安定雇用解消
・研究における雇用
2014年の雇用は68,441人
雇用数の安定化

[2014年研究予算の概要]
2014年の研究プログラムへの予算割当額は総額77.71億ユーロで、前年比82百万ユーロの減(-1%)となった。この減は全面的に国立研究機構(ANR)のプログラム策定方式の修正に関連している。実際には2014年は「France Europe 2020」戦略計画の実施と全面的に調整・調和のとれた国および欧州の研究プログラム策定に着手する年である。「France Europe 2020」は2013年7月22日法が定めた国家戦略および欧州の新規枠組プログラム「Horizon 2020」(2007~2013年の第7次枠組プログラムに比して予算額は+30%の伸び)の開始を予め織り込んだものである。

1) 研究機関への予算割当額
研究機関への割り当ては総額53.1億ユーロで、大型国際プロジェクトへの参加に関連した局部的な調整部分を除き、前年(53.3億ユーロ)比でも安定している。したがって2012年比では構造的に109百万ユーロの増となっている。
研究機関の雇用それ自体は68,441人と安定しており、2013~2015年3ヵ年予算の枠組で決められた公的雇用の削減目標の適用を受ける見込みはない。

2) 民生用宇宙研究
特別予算プログラムの対象となっている宇宙研究には2014年は14.31億ユーロが割り当てられ、前年比1.3%の伸びである。欧州計画の推進役としてフランスは、今後のアリアンヌ6号建造を目標に2013年11月21日の欧州宇宙機関(ESA)欧州評議会で決定されるロードマップの実施に関する手段を用意している。ESAに対するフランスの分担額が約62百万ユーロ(+7.8%)伸びて854.4百万ユーロとなっているのはこの理由による。

3) 研究に対する支援策
研究支援予算は754百万ユーロで、前年比84百万ユーロの減である。これは2012年12月28日の公共財政計画法に定められた3ヵ年予算に基づくものである。この結果は専らANRのプログラム策定方式の修正によるものである。

4) 大型国際研究プログラム
2013年7月22日法および「France Europe 2020」戦略計画の重点課題とされているフランスの大型国際研究プログラムへの参加では2年目も続けて予算が伸びている。研究機関自身の分担に加えて国際研究組織への直接分担金が278.2百万ユーロで、前年比で4百万ユーロの伸びとなり、2年間で+14%の伸びとなった。

5) 欧州の新規枠組プログラム「Horizon 2020」
EUの2014~2020年期新規研究枠組プログラムの予算はフランスの要求により40%伸びて702億ユーロとなり、フランスの研究界に絶好の機会を与えている。欧州のプログラム策定と国家プログラム策定とを全面的に調整して、フランスのチームの欧州プログラムにおける地位奪還を後押しするべく、高等教育・研究省では次のような施策を展開することにした。

・全国的にコンタクトポイントを設置して新規プロジェクト推進者の支援を強化して、今後の国レベルの戦略調整の対象とした。
・ANRの2014年プログラム策定ではシナジー効果とてこ入れ効果を助長する目的で、欧州の重点課題やテーマ別課題に配慮した工夫がなされた。
・高等教育施設および研究機関には欧州プログラム参加に向けた戦略をまとめるよう奨励した。

[「将来への投資」予算の概要]
1) 第1世代施策の凍結解除と促進(第1次分)
2012年下半期以降、高等教育・研究省は「将来への投資」第1次プログラムの一部施策や協定の凍結を解除し加速化することにした。2012~2013年のプロジェクト推進者への実効投資額は942.8百万ユーロから12.28億ユーロに推移し30%以上の伸びとなった。2013年のピーク達成後の2014年以降の年間投資額は10億ユーロ前後で定常化することになる。

2) 高等教育・研究基本方針法に伴う次世代「将来への投資」(第2次分)
この新規プログラムの重点課題の筆頭は高等教育・研究で、120億ユーロの内の53億ユーロが割り当てられる。MIRES関連の53億ユーロのうち41.15億ユーロは高等教育・研究省管轄下に置かれる「高度エコシステム」プログラムを構成する。本プログラムの予算は2014年末までにこの新規投資の実行を担当する実施機関(ANR、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、国立宇宙研究センター(CNES))に移される。「高度エコシステム」プログラムの内訳は次のとおり。

・高度化推進: 3,100百万ユーロ
・高度設備: 365百万ユーロ
・医療に関する大学病院研究: 400百万ユーロ
・重要汎用技術: 150百万ユーロ
・宇宙・打ち上げロケット・衛星: 50百万ユーロ
・高性能計算: 50百万ユーロ

高等教育・研究予算は、学校教育(647.7億ユーロ)、国防(374.8億ユーロ)に次ぐ国家予算の第3位を占め、2年連続の伸びとなった。

・研究・高等教育省際ミッション(MIRES): 260.6億ユーロ
前年比で121.3百万ユーロの増(+0.5%)
・上記の内高等教育・研究省向け: 230.4億ユーロ
前年比で111.8百万ユーロの増(+0.5%)

2) 特別出資金等の追加

・オペレーション・キャンパス
2014年は大学向けに255百万ユーロの出資
・将来への投資(第1次分)
2014年は大学に279百万ユーロ、研究プロジェクトに725百万ユーロ
・将来への投資(新規第2次分)
2014~2020年で125億ユーロ、高等教育・研究が第2次分の筆頭費目、
MIRESに対する53億ユーロ(高等教育・研究省予算に対しては41.2億ユーロ)を含む
投資の開始は2015年から
・高等教育における雇用
2014年の雇用は169,518人
2014年に1000人の雇用創出
2014年には一時雇用職員2200人の正規雇用化
2013~2014年に2000人の雇用創出、3975人の不安定雇用解消
・研究における雇用
2014年の雇用は68,441人
雇用数の安定化

[2014年研究予算の概要]

2014年の研究プログラムへの予算割り当て額は総額77.71億ユーロで、前年比82百万ユーロの減(-1%)となった。この減は全面的に国立研究機構(ANR)のプログラム策定方式の修正に関連している。実際には2014年は「France Europe 2020」戦略計画の実施と全面的に調整・調和のとれた国および欧州の研究プログラム策定に着手する年である。「France Europe 2020」は2013年7月22日法が定めた国家戦略および欧州の新規枠組プログラム「Horizon 2020」(2007~2013年の第7次枠組プログラムに比して予算額は+30%の伸び)の開始を予め織り込んだものである。

1) 研究機関への予算割り当て額

研究機関への割り当ては総額53.1億ユーロで、大型国際プロジェクトへの参加に関連した局部的な調整部分を除き、前年(53.3億ユーロ)比でも安定している。したがって2012年比では構造的に109百万ユーロの増となっている。
研究機関の雇用それ自体は68,441人と安定しており、2013~2015年3ヵ年予算の枠組で決められた公的雇用の削減目標の適用を受ける見込みはない。

2) 民生用宇宙研究

特別予算プログラムの対象となっている宇宙研究には2014年は14.31億ユーロが割り当てられ、前年比1.3%の伸びである。欧州計画の推進役としてフランスは、今後のアリアンヌ6号建造を目標に2013年11月21日の欧州宇宙機関(ESA)欧州評議会で決定されるロードマップの実施に関する手段を用意している。ESAに対するフランスの分担額が約62百万ユーロ(+7.8%)伸びて854.4百万ユーロとなっているのはこの理由による。

3) 研究に対する支援策

研究支援予算は754百万ユーロで、前年比84百万ユーロの減である。これは2012年12月28日の公共財政計画法に定められた3ヵ年予算に基づくものである。この結果は専らANRのプログラム策定方式の修正によるものである。

4) 大型国際研究プログラム

2013年7月22日法および「France Europe 2020」戦略計画の重点課題とされているフランスの大型国際研究プログラムへの参加では2年目も続けて予算が伸びている。研究機関自身の分担に加えて国際研究組織への直接分担金が278.2百万ユーロで前年比で4百万ユーロの伸びとなり、2年間で+14%の伸びとなった。

5) 欧州の新規枠組プログラム「Horizon 2020」

EUの2014~2020年期新規研究枠組プログラムの予算はフランスの要求により40%伸びて702億ユーロとなり、フランスの研究界に絶好の機会を与えている。欧州のプログラム策定と国家プログラム策定とを全面的に調整して、フランスのチームの欧州プログラムにおける地位奪還を後押しするべく、高等教育・研究省では次のような施策を展開することにした。

・全国的にコンタクトポイントを設置して新規プロジェクト推進者の支援を強化して、今後の国レベルの戦略調整の対象とした。
・ANRの2014年プログラム策定ではシナジー効果とてこ入れ効果を助長する目的で、欧州の重点課題やテーマ別課題に配慮した工夫がなされた。
・高等教育施設および研究機関には欧州プログラム参加に向けた戦略をまとめるよう奨励した。

[「将来への投資」予算の概要]

1) 第1世代施策の凍結解除と促進(第1次分)

2012年下半期以降、高等教育・研究省は「将来への投資」第1次プログラムの一部施策や協定の凍結を解除し加速化することにした。2012~2013年のプロジェクト推進者への実効投資額は942.8百万ユーロから12.28億ユーロに推移し30%以上の伸びとなった。2013年のピーク達成後の2014年以降の年間投資額は10億ユーロ前後で定常化することになる。

2) 高等教育・研究基本方針法に伴う次世代「将来への投資」(第2次分)

この新規プログラムの重点課題の筆頭は高等教育・研究で、120億ユーロの内の53億ユーロが割り当てられる。MIRES関連の53億ユーロのうち41.15億ユーロは高等教育・研究省管轄下に置かれる「高度エコシステム」プログラムを構成する。本プログラムの予算は2014年末までにこの新規投資の実行を担当する実施機関(ANR、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、国立宇宙研究センター(CNES))に移される。「高度エコシステム」プログラムの内訳は次のとおり。

・高度化推進: 3,100百万ユーロ
・高度設備: 365百万ユーロ
・医療に関する大学病院研究: 400百万ユーロ
・重要汎用技術: 150百万ユーロ
・宇宙・打ち上げロケット・衛星: 50百万ユーロ
・高性能計算: 50百万ユーロ

[DW編集局+JSTパリ事務所]