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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
- 元記事公開日:
- 2013/09/20
- 抄訳記事公開日:
- 2013/10/17
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バイオガス生産における障害の克服
- 本文:
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欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2013年9月20日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===アグロバイオガス・プラント(Agro-biogas plant)は、家畜の糞尿に食品部門から出た有機性廃棄物を混合して嫌気性発酵を起こし、そこで発生したガスを抽出し、再生可能エネルギーを生産している。この発酵過程で発生する副産物の一つが「発酵残渣(digestate)」と呼ばれる濃厚な液体廃棄物である。これは取扱いが困難だが、有機物やミネラルを豊富に含んでいる。
EUが資金供与する「WAVALUE(“High-added value eco-fertilisers from anaerobic digestion effluent wastes)(嫌気性消化廃液からの高付加価値エコ肥料)”」プロジェクトにおいて、この発酵残渣を主成分とする持続可能な新しい肥料を生産するための費用効率の高い産業プロセスが実証される予定である。
EUでは、再生可能エネルギー源が促進される中で、バイオガスの利用も急速に拡大していくはずである。だが実際には、発酵残渣の問題が障害となり、多くのEU加盟国でバイオガス・プラントの開発が遅れている。WAVALUEプロジェクトのパイロットプラントは、発酵残渣から高価値肥料を生産し、バイオガス・プラントの収益性を高めることに取り組む欧州初のプラントとなる。さらに、発酵残渣から肥料を生産するシステムを、既存あるいは新設のアグロバイオガス・プラントに導入するのも容易である。
コンソーシアムは、パイロットプラントで年間約900トンの汚泥を処理することを目指している。プロジェクト終了後は、フルサイズの2基のプラントで年間57,000トンの汚泥を処理する予定である。プロジェクト期間中に、このシステムにより、CO2排出量が年間11トン削減されると見られている。
[JSTパリ事務所]