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国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2013/10/23
抄訳記事公開日:
2013/11/14

NIH 新型医療ロボットの開発に向けて資金を提供

NIH funds development of novel robots to assist people with disabilities, aid doctors

本文:

国立衛生研究所(NIH)は10月23日、医療推進や患者支援に役立つ革新的ロボット(Co-Robots)の開発のため、今後5年間で240万ドルを3つのプロジェクトに与えると発表した。

1)視覚障がい者のための歩行支援ロボット
当該研究は視覚障がい者に対して周囲の様子を伝達し、誘導できるロボット杖を開発することを目標としている。杖本体にコンピューター・ビジョンの機能を持たせることで階段やドアなどを認識することができるようになり、直感的なインターフェイスを通じて、杖が使用者に対して進むべき方向を伝達する仕組み。この方法により、視覚障がい者の行動範囲が増しQOLが上がる他、同技術は小型ロボットの自立性研究にも役立ち、軍事偵察や法的処置、災害時の救出活動におけるロボットの開発などに応用可能とされる。

研究を実施するのはアーカンソー大学リトルロック校Cang Ye博士。当該プロジェクトは国立画像生物医学・生物工学研究所(NIBIB)並びに国立眼病研究所(NEI)からも資金提供を受けている

2)MRI誘導による能動型カテーテル
当該研究はMRI撮影時に心臓や血液などの生理学的運動を予測したうえで、自動でカテーテルを挿入できるCo-Robotを開発することを目標としている。最先端のロボット工学を用い、高画質の画像処理を瞬時に行うことで、ロボットカテーテルは心房性細動の焼灼処置の精度と再現性を高めることになる。

研究を実施するのはケース・ウェスタン・リザーブ大学のM. Cenk Cavusoglu博士。当該プロジェクトはNIBIBからも資金提供を受けている。

3)ロボット足首外骨格の開発に向けた新規プラットフォーム構築
当該研究は、脳卒中から回復中の患者が使用できる補助足首ロボットの開発に向けて、実験的プラットフォームを構築することを目標としている。プラットフォームでは、様々な外骨格ロボットのコントロール方法を試し、生理学的結果を比較しながら研究を進めることができる。外骨格ロボットは老化や脊髄損傷、脳性まひなどで下肢の自由を失った患者の移動性を高めることに役立つ。

研究を実施するのはノースカロライナ州立大学のGregory S. Sawicki博士とカーネギーメロン大学のSteven Collins博士。プロジェクトは国立看護研究所(NINR)並びにNSFからも資金提供を受けている。

[DW編集局]