[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立農学研究所(INRA)
元記事公開日:
2013/10/22
抄訳記事公開日:
2013/11/19

研究から行動へ: 農業生態学的移行を成功に導く手段を特定

De la recherche à l’action : l’Inra identifie des leviers pour une transition agroécologique réussie

本文:

国立農学研究所(INRA)の2013年10月22日標記報道発表の概要は以下のとおり。

生物多様性を活用し、景観と国土を守り、各元素の大循環を把握する。これは農業生態学的移行における取り組みでINRAが特定する3つの手段である。この領域での20年間の先駆的研究の実績をもつINRAは、2013年10月17日農業担当大臣の後援の下にあらゆる関連の当事者を集めて農業生態学に特化した会議を開催した。バイオから従来の農業に至る各農業システムについて、科学者らは環境効果と経済効果を両立させるイノベーションや道筋の提案を行った。

シンポジウム「農業生態学と研究」には非常に多様な領域から約400名が参加した。とりわけ長期にわたる追跡の仕組みやモデル化の手段に基づいた多段階、多分野の統合的アプローチの必要性を参加者全員が強調した。

以下は可能な行動手段を例示したものである。

・生物多様性の有効活用
複数要素の構成(育林農業など)、複数の植物種(長期の輪作、端境期の栽培、雑種など)、複数の動物種(混合放牧など)、同一種の複数変種を一体的に扱い、同一種における遺伝子の多様性を管理し、周囲との境界線の多様性を追跡・管理し、生物的防除を促進することが、農業システムにおける生物多様性の有効活用に向けた行動を可能ならしめる数多くの手段の一部になる。

・国土と景観の管理
国土や景観への農業活動参入の管理を行うことで農業生態学にとっての有用な手段が与えられる。小農地や一定の要素(草地、生垣、湿地帯など)の空間的構造化がある。研究結果によると、水や物質の移動に関して景観構造の影響が明らかになっている。人工湿地帯では農薬を遮断することができる。

・大循環(炭素、窒素、リンなど)の持続可能な管理
第1にとるべき一連の手段は、農業システムの無機合成肥料への依存度を小さくして土壌の生物学的規制を有効活用することである。次にとることが可能な方策は、農業・牧畜の統合、消失物や廃棄物を減らすことで大循環を終結させる目的の廃水管理などがある。

[DW編集局+JSTパリ事務所]