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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2013/10/08
- 抄訳記事公開日:
- 2013/11/21
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成人若年層は高齢層よりも好成績
- 本文:
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ベルリンでOECDによる国際成人力調査(PIAAC)の結果が発表された。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略以下のような報道発表を行った。
PIAACの結果によると、成人若年層は高齢層よりも読解力に優れていることが明らかとなった。この調査によって初めて16歳から65歳の能力が国際比較された。テストは、読解力、日常における数学的知識を利用する能力、インターネットやE-メールなどの新しい技術の利用に関する知識を問うものである。
クエネット‐ティーレンBMBF次官は、「PIAACは、教育に対する個人や国による投資が有効であることを示している。また、ドイツにおける教育と教育改革に対する投資の増額が効果を発揮していることを証明している。若い世代は、読解力、数的思考力、コンピュータの利用などの基本的なスキルで、年齢の高い世代よりも優れている」と語った。
またホーフェ連邦労働社会省(BMAS)次官は、「高い基本的な能力は、労働市場で個人の価値を上げ、より高い収入をもたらす。PIAACは、これまでの労働政策や技能向上への投資が正しかったことを証明しており、これらの施策を強化すべきであることを示唆している。その結果が、社会における教育と機会の平等である。」と語った。
PIAACはまた、職業教育がドイツの国際競争力を維持させていることも明確にしている。一般教養と学校教育に重きを置いた大学卒業者の割合の高い国々は、根本的な職業的スキルの有利性を持たず、ドイツよりも調査結果の悪いところがある。一方、ドイツのデュアルシステム(職業訓練校に籍を置きながら、企業で実践的な職業訓練を受ける制度)は職業実践的能力の形成に役立っている。とりわけデュアルシステムの持つ大きな融合力は、ドイツにおける若年失業者の少ないことに現れている(2012年におけるドイツの若年失業者数は8.1%、EUは22.8%)。これはBMBFの支援で、同システムを積極的にマーケティングする目的で立ち上げられたイニシアティブ、iMOVE(International Marketing of Vocational Education) の職業教育サービス “Training – Made in Germany“が、労働市場での若年者の価値を上げる大きな可能性を有していることの証明である。
ドイツは、第一回OECD生徒の学習到達度調査PISA(2000年)の後、教育システムの整備に対する投資を強化してきた。その投資が効果的であったことをPIAACは証明している。例えば読解力の高ランク(第三段階)を示したものは55歳から65歳で30%であったが、16歳から34歳まででは60%であった。
PIAACはしかし、以下のことも示唆している。年齢が高い層、低い資格しか所有しない者、また長期にわたる失業者に再教育を施し、職業資格を取らせるようにしていかなければならないということである。これは長期的には専門人材基盤の確保につながるものである。
[DW編集局]